Australia[Sydney]
ラテ大国にブラックコーヒーの新潮流
2015.05.05
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カフェ激戦区、サリーヒルズの住宅街に2014年末ひっそりオープンした「アーティフィサー」。シドニーでは珍しく、ペストリーなどのサイドメニューは一切ない専門店で、コーヒーの一本勝負。淡い木の色を基調としたすっきりした店内は、板前の技を楽しめる寿司バーのように、カウンターが構える。
シドニーの大手新聞社が2012年に「ベストバリスタ」に選んだ日本人バリスタ・佐々昌二氏が、翌年その称号を得たダン・イー氏とともにオープンした店だけあって、豆の焙煎と選択、コーヒーの淹れ方にはこだわる。苦味を出さないために「新鮮な豆を、極力浅煎りすることが大事」と語る佐々木氏は、客の嗜好を聞きながら豆を選び、その豆にあった適温の湯でフィルターを使って抽出。ドリップ用の豆は、エチオピアブレンドなど4種類用意し、店頭販売も。
ラテが主流のシドニーで、豆本来の味が楽しめるハンドドリップコーヒーが浸透するまでにはまだ時間がかかるかもしれないが、この店なら新たなファンが増えそうだ。
(『料理通信』2015年5月号/「ワールドトピックス」より)
◎Artificer Specialty Coffee Bar & Roastery
547 Bourke St, Surry Hills
☎+61-2-9565-5710
7:00~ 15:00 (日曜は8:00~14:00)
月曜休
text & photograph by Akiko Mori Ganivet
JOURNAL / 世界の食トレンド
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