China [Hong Kong]
香港の胃袋を支えてきた歴史的商業施設が再始動!
2021.10.07
text by Rie Suzuki / photograph by Sean S.S. Yan/ 厳寿山
市内中心地の中環エリアに、5億香港ドルを投じ8年の改修期間を経て再オープンした「中環街市(Central Market)」。英国の植民地となった翌年1842年に開業し、180年近い歴史を持つ。イギリス人の需要に応えて食品貿易業が栄え、次第に魚介肉や野菜など新鮮な食材を扱い地元に親しまれてきた。
2021年8月に息を吹き返した「中環街市」は、ストリームライン・モダンの建築様式を取り入れ、1000平方メートルの緑のオープンスペースに広場やアトリウムを設けて、商業施設としてだけでなく様々な文化芸術活動を予定している。コンセプトは「みんなの遊び場」だ。
ローカルブランドのレストランや屋台、小売店にも注目したい。「果言(Fruitalks)」は、新鮮な果物の搾りたてジューススタンドで、「茘枝(れいし)ウーロン」(29香港ドル)など中国茶とのミックスが好評。バー「白蘭樹下(Perfume Trees Gin)」では、クチナシなど香港産のボタニカルを蒸溜したジンをベースに、地元のミクソロジストがオリジナルカクテル(118香港ドル~)を提供する。
スタートアップ企業のサポートも積極的に行い、出店する店には什器の提供やリースプランにも柔軟に対応する。今後の中環街市の多様な発信に期待したい。
(写真)香港の多様性、文化芸術を伝えるワークショップやセミナーを開催し、地域活性化への取り組みを行っている。
◎中環街市(Central Market)
93 Queen’s Road Central and 80 Des Voeux Road Central, Central, Hong Kong
☎+852-3618-8668
10:00~22:00(パブリック・スペース開放時間 08:00~22:00)
https://www.centralmarket.hk/
*1香港ドル=14.2円(2021年9月時点)