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JOURNAL / JAPAN

日本 [北海道]

冷涼な気候が作る、特徴ある生態系

在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる

2016.06.25

北海道民が慣れ親しんだフルーツ
「ハスカップ」

「ハスカップ」と聞いて、その姿形が思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。 北海道西部の苫小牧市や勇払原野(ゆうふつげんや)などに自生するスイカズラ科の小果樹で、道民には慣れ親しんだ存在です。

大正12年の記録では、沼の端駅に近藤待合所を開業した近藤武雄氏によって、ハスカップを使った羊羹や最中が駅で販売されていたことも。特産果樹としては、昭和40年代から徐々に栽培が盛んになりました。戦後間もない頃には、ハスカップの最盛期である7月に3日間「ハスカップ休暇」なるものが設けられ、周辺の学生たちはこぞって自生するハスカップを採りに行ったとの記録も残っています。

ずっと道民に寄り添い続けきたハスカップ。現在は、町内に8戸あるハスカップ農家の収穫情報が「ハスカップ狩りMAP」としてネットに掲載され、地域活性の一翼を担っています。

一般的には酸味が強い果実ですが、酸味の少ない品種は、濃厚な食味を持っています。


多くの栄養素を含有、染物原料としても
「アロニア」

こちらもなかなかお目にかかれない北海道特産フルーツ。バラ科の小果樹で主に北米、ロシアなどで栽培されています。実の形が「ナナカマド」と似ていて、濃い紫色、黒色をしていることから「黒いナナカマド」とも呼ばれ、道民に親しまれているそうです。

アントシアニン、食物繊維などの栄養素を多く含み、眼精疲労、メタボリックシンドロームに効果があるとされ、健康機能食品の原料としても活躍中。食用以外の用途としては、草木染の原料にも使われています。

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