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JOURNAL / JAPAN

日本 [沖縄]

沖縄ならではの爽やかな香りの柑橘文化

在来種を守ることと新品種への挑戦が未来をつくる

2016.06.25

見た目はゴツく、味は繊細
「カーブチー」(柑橘)

シークヮーサーに代表されるように、沖縄には昔から大切にされてきた柑橘文化があります。カーブチー、オートー、タロガヨなど、全国にはなかなか流通しないけれど、地元では昔から親しまれてきた優れた柑橘揃いです。

ご紹介するのはカーブチー。「カー」は沖縄の方言で「皮」、「ブチー」は「厚い」の意味。名前の通り、ゴツゴツした厚い皮が特徴です。見た目の割に実は小さく、でも、果汁はたっぷり。見た目酸っぱそうで、意外に酸味は穏やか、爽やかな甘味とカーブチー特有の香りが魅力です。ミカンの皮を干したものを「陳皮(チンピ)」と言いますが、カーブチーも天日干しして、島唐辛子と共にすり鉢で細かくすれば、沖縄バージョンの二味唐辛子に。ちなみに、「皮が厚い」という意味から、面の皮が厚い人のことを「カーブチージラー」と呼ぶこともあるそうです。


沖縄で選抜されたフロリダ原産のマンゴー
「夏小紅」(マンゴー)

新品種への取り組みは、風土を生かしたマンゴーで行われています。国内産マンゴーの大半はアーウィンという品種で占められますが、日本人の嗜好に合う新たな品種を探すべく、沖縄の気候に適した18品種の候補から検討を重ね、米フロリダ原産のリペンス、バレンシアプライドという2品種が選定されました。県内農家と協力して栽培技術を確立。リペンスは「夏小紅」、バレンシアプライドは「てぃらら」というネーミングで売り出し中。「夏小紅」は、丸い果実で甘味が強く、溶けるような口当たりです。

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