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JOURNAL / 世界の食トレンド

America [New York]

ファン層がますます広がる オレンジワイン専門店誕生

2021.09.13

text by Akiko Katayama / photograph by Michael Tulipan / MST Creative

近年注目が集まる「オレンジワイン」。“ロゼワインの白ブドウ版”とも呼ばれ、通常除去される果皮や種と共に発酵させて造るワインで、中央アジア・コーカサス地域の共和国ジョージアで約8000年前から造られていたという。加工を最小限にした伝統製法が近年の自然派ワインブームと相まって、ますます人気が高まっている。

そんな中、2021年6月にオープンしたのがオレンジワイン専門店「オレンジ・グルー(Orange Glou)」。オーナーは自然派ワインのスペシャリストとして知られるソムリエ、ドライン・ウィンクラー(Doreen Winkler)氏だ。13年にミシュラン二ツ星を持つ現代北欧料理店「アスカ(Aska)」で、100%自然派のワインリストを作る際にオレンジワインに出会い、その魅力に開眼。19年11月にはオレンジワインの通信販売を開始してファンを集め、実店舗開店に至った。

「オレンジワインは果皮の浸漬期間、熟成に使うクヴェヴリ(土器)など、一般の白ワインにない独自の要素が味に大きく影響します。その結果、造り手によりライトからフルボディ、トロピカルフルーツからナッツなどと風味の幅が広く、料理との相性がいい。たとえば、このイタリア産銘柄は、マイヤーレモンのような酸味にキノコの風味が続く深い味わい。すき焼きなど、素材やだしのうま味が強い和食にもぴったりです」とボトルを片手に氏は目を輝かせる。

客層は20~60代と幅広く、初心者から特定銘柄を探しに来る人までいて、その関心の高さに驚かされるという。今後は定期的にクラスを開き、オレンジワインの魅力を積極的に伝えていく予定だ。

(写真)オーナーのドライン・ウィンクラー氏。マンハッタンのロウワーイーストサイドにある店内には現在、ジョージア、イタリア、米国ほか多彩な産地からの45銘柄(各10~99ドル)を取り揃える。


◎Orange Glou
264 Broome St, New York, NY 10002
☎+1-917-388-2283
13:00~19:00
月曜、火曜休
https://www.orangeglou.com/
Instagram:@orange_glou

1ドル=109円(2021年8月時点)

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