HOME 〉

JOURNAL / 世界の食トレンド

England [London]

サステナブルで野性味溢れるメニューが魅力 ロンドンの隠れ家的スポット

2021.09.16

text & photograph by Yuka Hasegawa

2021年7月19日、ロックダウンが全面的に解除され、マスク着用の義務やソーシャルディスタンスの規制が撤廃されたロンドン。とはいえ、密を避けるために、テラス席やガーデンスペースを擁する飲食店に依然人気が集まっている。中でも5月中旬、ロンドンの老舗ファッション・ブティック「ブラウンズ」内にオープンし、瀟洒な中庭のテーブルを持つ「ネイティブ・アット・ブラウンズ」が話題だ。

メニューは、持続可能な方法によって生産、収穫された旬の英国産素材や野生の食材を駆使し、フードロスを抑えた創作小皿料理。一般的に廃棄されてしまうタラの頬肉をフライにし、刻んだ海藻を混ぜたタルタルソースで食すミニバーガー「ネイティブ・フィッシュ・フィレ」(8.5ポンド)は、店の看板料理だ。

英国は日本と同様の島国。「少し遠出して海辺に行けば、多くの種類の海藻が自分で収集できる。海の塩気とミネラルを含んだ海藻類を始め、英国内に豊富に生息しつつも埋もれている興味深い食材を発掘し、提供していきたい」と語るのは、同店の創始者の一人であり、ヘッドシェフのアイバンさん。カクテルメニューにもそのコンセプトが反映されていて、酢漬けにした海藻をオリーブの替わりに添えた「シーウィード・マティーニ」(15ポンド)が人気だ。また厳選された自然派ワインが揃うことでも定評があり、地球環境に配慮するロンドナーの隠れ家的スポットとして注目されている。

(写真)ロンドンの一等地に位置するが、都会の喧騒を感じさせない中庭のスペースが人気。屋内のダイニングスペースと同様、リサイクル素材を使って地元のアーティストによって作られたテーブルが印象的。雨除けのテントも付いている。


◎Native at Browns
39 Brook Street, London, W1K 4AH
☎+44-(0)20-7549-5999
12:30~14:30、17:00~20:30
テラス席12:30~20:30
日曜、月曜休
https://www.brownsfashion.com/uk/services/native-at-browns

1ポンド=151円(2021年8月時点)

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。