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JOURNAL / 世界の食トレンド

France [Paris]

女性の活躍が目覚ましい 食の祭典テイスト・オブ・パリ2021

2021.10.07

女性の活躍が目覚ましい 食の祭典テイスト・オブ・パリ2021

text & photograph by Sakurako Uozumi

2015年から続くパリの食の祭典「テイスト・オブ・パリ(Taste of Paris)」は、三ツ星シェフから新進気鋭の料理人など、約50名が集う食のビッグイベント。グランメゾンの料理を気軽に楽しめたり、注目すべきシェフたちの料理を食べ比べする絶好の機会だ。また、100社ほどの生産者たちがブースを構え、消費者と直に交流する場でもある。2021年の会場は、2024年パリ五輪の競技会場にもなる、シャン・ド・マルス公園に建設されたグラン・パレ・エフェメールだ。

スローガンは「女性がダンスをリードする!」。プログラム主任のマチルド・ドゥヴィル氏は語る。「ガストロノミー界における女性の進出は向上しています。今後、パリの食の世界を牽引していくアマンディーヌ・シェニョ(Pouliche)、アドリーヌ・グラタール(Yam’Tcha)、マノン・フルリー(Le Mermoz)、ベアトリス・ゴンザレス(Neva)、ニナ・メタイエ(Délicatisserie)など、女性を積極的に選びました」。

参加者の一人、アマンディーヌ・シェニョはこう指摘する。「厨房に女性は増えてきてはいますが、まだ十分ではありません。女性だけではなく、黒人、アジア人、LGBTの料理人はマイノリティで、業界全体を見渡しても多様性は広がっていません。今後、環境がいち早く変化していくことを心から願っています」。

近年、#MeToo運動が広まるフランス料理界。女性シェフの地位向上を高めようという動きは確実に広がりを見せている。

(写真)「私たち新世代の女性シェフたちは仲良くシスターフッド(女性同士の連帯)で力を合わせて夢を実現させています。料理業界に夢を抱くもっと若い女性たちに、それがいばらの道であっても、決して諦めてはならないと、私たちが示していかなければならないのです」と、ヴァーチャルブティックを営むニナ・メタイエ(左から2番目)。



◎Taste of Paris
開催期間:2021年9月16日~19日
会場:グラン・パレ・エフェメール
入場料:20ユーロ
https://paris.tastefestivals.com

1ユーロ=129円(2021年9月時点)

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