Germany[Berlin]
春の味覚、白アスパラガスが栽培の危機に?
2019.09.17
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ドイツの初夏の味として知られる白アスパラガス。冷涼な気候の砂地の土壌で育つということもあり、ドイツの露地栽培の野菜作付け面積全体の実に5分の1が白アスパラガスという人気ぶりだ。
しかし今、白アスパラガス栽培が危機にさらされている。盛り土をして、黒いビニール製の覆いをかけて太陽を当てずに育てる白アスパラガスは、収穫の際には覆いを剥がし、土を掘って1本1本折りとらなければならない。機械化が難しく、中腰での作業を長時間続ける過酷な労働環境のために、ドイツ人はもちろん、これまで頼みの綱だった東欧諸国からの季節労働者も集まらなくなってしまい、畑はあるのに収穫ができないというジレンマに陥っている。
その上、近年の脱プラスチックの余波を受け、栽培時に出る大量の黒いビニールのゴミにも批判の声が高まっている。「白アスパラガスのブーム自体を終わらせるべき!」という指摘もある。その未来は、今後いかに労働者に優しい栽培法を考えるかにかかっているのかもしれない。
(『料理通信』2019年8月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Bundeszentrum für Ernährung
ドイツ連邦栄養センターによる白アスパラガスのサイト
www.bzfe.de/inhalt/spargel-5845.html
text by Hideko Kawachi
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