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JOURNAL / 世界の食トレンド

China [Hong Kong]

モダン・フレンチチャイニーズで大豆料理の可能性を広げる

2022.07.19

text by Rie Suzuki

長い歴史を持つ伝統食材、大豆。中国はじめアジア各国の料理や食文化の礎となり、香港でも万能食材として、多様な料理レシピが日常に愛されている。

2022年1月、香港・摩羅上街に大豆料理専門店「MORA(摩)」がオープンした。手掛けたのは、「アジアのベストレストラン 2015」で女性シェフ賞を受賞したヴィッキー・ラウ(Vicky Lau)氏。豆腐や湯葉など、自家製豆乳で作った大豆食品を全てのメニューに採り入れ、ティステイングメニューを提供する。

料理は味わいの特徴ごとに「SILKEN」「CRISP」「JADE」「DEW」「ICE」とカテゴライズされ、フレンチの手法で調理し、サーブする。

たとえば、「SILKEN」では自家製の滑らかな豆腐にキャビアをあしらい、「CRISP」ではブリオッシュに発酵させたホイップソイクリームを添える。「JADE」は豆腐のマリネにイエローチキン、「DEW」はロブスター入りの豆腐シチュー(写真上)、「ICE」では醤油キャラメルと豆乳フランで伝統デザート豆腐花に仕立てるなど、中国&アジアのスパイスや世界中の食材を自由自在に調理し、大豆料理のさらなる可能性を伝えている。

現在では世界中で食され、栄養価が高く、肉に替わる食材として注目される大豆。「MORA」が発信する新しい大豆料理に期待したい。

(写真トップ)ヴィッキー・ラウ氏。香港・上環のレストラン「Tate Dining Room」でミシュラン二ツ星を獲得する他、著名なアワードを受賞するなど香港のモダン・フレンチチャイニーズをリードする。店名の「摩」には“触れる“という意味があり、大豆料理の多様なテクスチャーを楽しんでもらいたいというシェフの気持ちが汲みとれる。



◎MORA
40 Upper Lascar Row, Sheung Wan, Hong Kong
☎+852-9583-8590
12:00~14:00(金曜、土曜のみ)、18:00~21:00
日曜、月曜休
ランチ 680香港ドル(5皿)、ディナー 1080香港ドル(6コース)
https://www.mora.com.hk

*1香港ドル=17円(2022年6月時点)

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