India[Kochi]
消えゆく在来種米を食べられるアーカイブに
2019.07.05
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2018年12月から2019年3月まで、南インド・ケーララ州コチ市でインド最大の現代芸術展「コチ=ムジリス・ビエンナーレ2018」が開催された。中でも、食に関連するアートプロジェクトとして、インド各地の在来種米のアーカイブ化を行う「エディブル・アーカイブズ」が注目を集めた。
「食堂」という形をとり、そこに関わる全ての人々――農家、材料を調達する人、料理人、食べにくる人々――の体験や記憶を蓄積していく仕組みだ。1960年代以降、インドでは米の品種改良が進み、10万種ともいわれる在来種米が、姿を消したり、小さなコミュニティ内のみで栽培されるようになった現状がある。
シェフのアヌミトラ・ゴーシュ・ダスティダルさんを中心としたプロジェクトメンバーは、各地を回って在来種米とその食文化を調査した。プロジェクトで使用された米は20数種。日替わりで1~2種を使って米を中心にしたメニューを展開した。今後も調査は続き、インド各地やパリでのポップアップイベントも決定している。
(『料理通信』2019年6月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Edible Archives
Instagram : @ediblearchives
ビエンナーレ終了後も、SNSにはリサーチやプロジェクトの最新情報が更新されている。
Kochi-Muziris Biennale 2018年12月12日~2019年3月29日開催text by Akemi Purushotham
photograph by Salam Olattayil
JOURNAL / 世界の食トレンド
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