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JOURNAL / 世界の食トレンド

Italy [Milano]

ミラノ発 ナッツ&ドライフルーツ専門業者が手掛けるヘルシーカフェ

2022.07.25

text by Yuko Suyama

「WHY NUT(ワイナット)」は、イタリア初、ヘルシー指向のナッツ・マイクロロースターカフェ。80年以上の歴史を持つナッツ&ドライフルーツ専門ヴェントゥーラ(Ventura)社が、2021年秋、ミラノのナヴィリオ地区にオープンした。

明るくカジュアルな店内には、近くの工房から届く少量ずつ焙煎したナッツやドライフルーツをディスプレイ。これらを組み合わせて、サラダやヨーグルトにトッピングしたり、量り売りをする。「ナッツとドライフルーツを核に、“純粋で質の高い健全な食”を」と、責任者ミケーレ氏は意気込みを語る。

メニューはヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリー対応。100%生ジュース、キヌアやショウガが入った抹茶スムージーの他、エスプレッソやハーブティー、アルコール類も揃え、朝食からアペリティーヴォタイムまで網羅する。

フード類にも工夫が光る。12時間発酵させて作るクロワッサンには自家製ピスタチオクリームを添え、自家製クッキーやタルトにはバターではなくオイルを使う。スモーブローに使うパンには、全粒ライ麦粉に多様なシードを加え、ブルスケッタ用のフォカッチャは味と食感のバランスを考えて3種の小麦粉をブレンドし、24時間発酵させる。ラップサンド用の生地には小麦粉の他、ウコンや麻の実、カボチャの種のパウダーを加えてプロテインを強化。とかく平坦な味になりがちなヴィーガンやベジタリアン料理も、ナッツやドライフルーツを加えることで、奥行き深い味わいになると提案する。

客層は30代を中心に、トレンドに敏感な女性が8割。そのうち1割以上はヴィーガン料理をオーダーし、ベジタリアンやグルテンフリーにも関心が高いという。ゆくゆくは、ミラノ市内に、もう1店舗オープンしたいと計画中だ。

(写真)人気の週末ブランチ(11:00~15:30)の一例。ブルグル(挽き割り小麦)とカポナータ、アンズ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、レーズンのアグロドルチェ風味や、ラップサンド用のパンを添えたフムス、ジュースやエスプレッソなどのドリンク類、ドルチェが付く(20~25ユーロ)。



◎WHY NUT
Corso di Porta Ticinese 100
☎+39-02-5002-0846
9:00~18:00(土曜10:00~20:00、日曜10:00~19:00)
無休
https://whynut.it

*1ユーロ=143円(2022年6月時点)

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