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JOURNAL / 世界の食トレンド

トスカーナの肉職人、ダリオ・チェッキーニのレストランがフィレンツェに初登場

Italy [Firenze]

2024.12.19

トスカーナの肉職人、ダリオ・チェッキーニのレストランがフィレンツェに初登場

text by Manami Ikeda
(写真)鼻先から尻尾まで(つまり全身で)肉屋をやることが信条のダリオ・チェッキーニ。

ダンテの『神曲』を吟じながら肉を捌き、命をいただくことの大切さを語り続けることで世界的にその名を知られるダリオ・チェッキーニ。トスカーナのパンツァーノ・イン・キャンティで代々続く食肉店の8代目店主だ。

同地では「ソロチッチャ」「オッフィチーナ・デッラ・ビステッカ」といったレストランも営み、ミラノやドバイ、シンガポールなどでも肉料理レストランを監修するなど幅広く活動しているが、2024年秋、ダンテの故郷であるフィレンツェにようやくと言っていいくらい待望のレストラン「チェッキーニ・イン・チッタ(Cecchini in Città)」が誕生した。場所は「25 Hours Hotel」内。この建物は元々修道院で、ホテルとして生まれ変わるにあたり『神曲』をテーマにしたというから、ダリオにとってはフィレンツェ進出にふさわしい場所である。

広いホールは天井がガラス張りで、大きな暖炉があり、夜はそこで肉を焼く。メニューは、「チェッキーニ・ファミリア」と「チェッキーニ・グリリア」に分かれ、ファミリアではチェッキーニ家に伝わる家庭料理を中心に、軽い魚介料理やベジタリアン対応メニューも揃う。ランチメニューには“パニーノ”としてロゼッタパンに牛バラ肉やパティを挟んだバーガーも楽しめる。ディナーではファミリアの他にグリリアも選べ、肉のグリル、あるいは野菜のグリルがコースで提供される。観光都市のホテルというロケーションゆえ、肉以外の料理があったり、ランチとディナーの間もアフタヌーンとして軽めの料理が食べられるなど、柔軟な使い方ができるのも特徴だ。

ダリオのパフォーマンスを楽しみたいならパンツァーノへ行かねばならないが、チェッキーニの肉をフィレンツェにいながらにして味わうことができるのは、旅行者のみならず地元の人々にとっても朗報である。

(写真)「グリリア」の肉コースは、牛肉のタルタル、カルパッチョ、部位の異なる牛グリル、付け合わせで70ユーロ。
「グリリア」の肉コースは、牛肉のタルタル、カルパッチョ、部位の異なる牛グリル、付け合わせで70ユーロ。
(写真)ランチメニューの「パニーノ・チェッキーニ」(18ユーロ)。パティ250gにカラメリゼしたタマネギ、トマト、オリジナルのサルサ・ダリオネーゼを合わせてロゼッタパンでサンド。
ランチメニューの「パニーノ・チェッキーニ」(18ユーロ)。パティ250gにカラメリゼしたタマネギ、トマト、オリジナルのサルサ・ダリオネーゼを合わせてロゼッタパンでサンド。
(写真)「Carpe Diem(カルぺ・ディエム:今を楽しめ)」をもじって「Carne(カルネ:肉)」の赤い文字が映える。
「Carpe Diem(カルぺ・ディエム:今を楽しめ)」をもじって「Carne(カルネ:肉)」の赤い文字が映える。
(写真)ディナータイムは、巨大な暖炉を使ってグリルする。
ディナータイムは、巨大な暖炉を使ってグリルする。

Cecchini in Città
25 Hours Hotel Piazza San Paolino内
Via Palazzuolo, 9 Firenze
☎︎+39-055-2966955
12:00〜22:30 無休
https://cecchini-firenze.com

*1ユーロ=157円(2024年12月時点)

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