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JOURNAL / 世界の食トレンド

ナポリの家庭料理フリッタータを極上素材でヘルシーなファストフードに

Italy [Milano]

2024.03.14

ナポリの家庭料理フリッタータを極上素材でヘルシーなファストフードに

text by Yuko Suyama
(写真)ナポリの家庭料理フリッタータを小さく、手で食べられるようにした「フリッタティーナ」。ショーケースには他にも、野菜ベースのスフォルマート、フリッタティーナをサンド仕立てにしたリピエーノ、ナポリのドルチェが美しく並ぶ。

2024年1月6日、ミラノ市南部のボッコーニ大学地区に、ミラノ発パスタのフリッタータ専門店「ティーナ・マッケローニ(Tina Maccheroni)」がオープンした。

パスタのフリッタータとは元々、残り物のパスタに卵を混ぜ、オリーブ油をたっぷり入れたフライパンで焼くナポリの家庭料理。そのおいしさのあまり、この頃は残り物パスタではなく、初めからフリッタータ用に作ることもある。SNSでも活躍するナポリ出身シェフ、エドアルド・ノティチアさんもケータリングの際にいろいろな味のフリッタータを並べて、好評を博した。

2023年、知り合った同じくナポリ出身のフランチェスコ・グアルディネーラさんと意気投合し、試作を重ねて「洗練され誰もが楽しめるフリッタティーナ」を考案する。形状もワンポーションの小さな丸型にし、オーブン加熱にしてオイリーさを控え、素材にも気を配った。パスタは乾麺で有名なナポリ近郊グラニャーノ産のブカティーニを使い、平飼いの新鮮な有機卵や苦味のある野菜フリアリエッリ、エトナ産ピエンノロ(吊るしプチトマト)などを取り寄せ、あくまでもナポリの味を守る。

外側が香ばしくカリッと焼き上がったたばかりのフリッタティーナ

(写真)オーブンで外側が香ばしくカリッと焼き上がったばかりのフリッタティーナ。一番人気は、ブカティーニと卵、パルミジャーノやペコリーノ、パセリが入った「クラシック」。


メニューは、スモークしたプロヴォラチーズが入るオリジナル、ズッキーネのマリネが入るエスカペーチェの他、エスニックなジンジャー入りタイ風フリッタティーナなど9種(2.5〜4.5ユーロ)。今後さらに新しい味を増やす予定だ。

トマト入りフリッタティーナ・ピエンノロにサンドイッチのように具材を挟んだリピエーノ

(写真)トマト入りフリッタティーナ・ピエンノロにサンドイッチのように具材を挟んだリピエーノ(5ユーロ)。リピエーノは全4種。

他にもジャガイモやズッキーナをベースにしたパスタなしスフォルマティーナ3種(3.5ユーロ)や、ナポリ風焼き菓子「パスティエーラ」や「スフォリアテッラ」(各5ユーロ)も。ドリンク類はワインのプロセッコやクラフトビール、キノットも揃える。

店のあるブリニ通りはボッコーニ大学関係者をはじめ買い物客などの行き来も多く、パスタが大好きなイタリア人の熱い支持を受け、新しいファストフードとしてフリッタティーナが拡散しそうだ。

テイクアウト用パッケージ

(写真)テイクアウト用パッケージ。客の3割はデリバリー、来店客もテイクアウトが多い。


店内のショーケースに焼き上がったフリッタティーナを並べるエドアルドとフランチェスコ。

(写真)開店前、店内のショーケースに焼き上がったフリッタティーナを並べるエドアルド(左)とフランチェスコ。


Tina Maccheroni

◎Tina Maccheroni
Viale Bligny 29 20136 Milano
☎+39-351-350-8666
12:00〜22:00 無休
Instagram:@tina.maccheroni

*1ユーロ=162円(2024年3月時点)

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