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JOURNAL / 世界の食トレンド

Peru [Lima] ニッケイ料理に次ぐブームになるか。リマで“アジアン・ペルビアン”に熱い視線

2022.11.14

ニッケイ料理に次ぐブームになるか。リマで“アジアン・ペルビアン”に熱い視線

text by Keiko Harada

「バーン・ペルー(Baan Perú)」はペルー・アマゾンの食材を使った創作東南アジア料理の店。首都リマ随一のオフィス街として知られ、トレンド発信拠点でもあるサン・イシドロ区で2020年12月にオープンした。

オーナーシェフのフランチェスカ・フェレイロス氏は、リマと欧米で経験を積んだ後、4年連続で「アジアのベストレストラン50」のトップに輝いたバンコク「ガガン」に勤め、タイ料理の魅力に取りつかれた。世界中を旅するガガン・アナンドと共に故郷のペルーを訪れた彼女は、東南アジアとアマゾンの食材に多くの共通点があることに気づき、帰国を決意。パンデミックの最中に自宅から創作料理をSNSにアップし、東南アジア料理とペルー料理の意外な共通点をわかりやすく伝えたところ、フォロワーから次々と注文が入るようになったという。

竹籠のランプシェードや観葉植物でエスニックな雰囲気を演出する「バーン・ペルー」では、タイカレーやゴイクン、ティッカマサラといったアジア諸国の定番料理を提供。また魚介ベースのソースであるペルーのレチェ・デ・ティグレをカレー風味に仕上げたり、ミシュキーナというアマゾンの調味料をラクサに加えたりするなど、アジアとペルーの融合にも力を入れる。ベジタリアンやヴィーガン、乳糖不耐症への対応を始め、キッズメニューやペットフレンドリー(テラス席のみ)など多様化する顧客ニーズにも可能な限り応え、流行に敏感な世代を取り込むことに成功している。

フェレイロス氏は、「一口にカレーと言ってもアジアすべての国でスタイルは違うし、ペルー人が好む辛さや濃度もアジアとは違う。大切なのは互いの接点を探っていくこと」と語る。3年ぶりに再開されたペルー国内レストランランキング「Summum 2022」で、初登場にも関わらず11位に躍り出た注目の「バーン・ペルー」。アジアン・ペルー料理ブームの到来を予感させる。

(写真トップ)オーナーシェフのフランチェスカ・フェレイロス氏は、3人の偉大なるシェフ「ギー・インディアン・キッチン」のニーブン・パテル、「エル・セラール・デ・カン・ロカ」のロカ3兄弟、「ガガン」のガガン・アナンドの下で、各国の料理と彼らの料理に対するポリシーを学んだ。


(写真2枚目)「Tiradito de Conchas Thai」(45ソレス)。ホタテのティラディートにタイ風レチェ・デ・ティグレと日本のシソをプラスしたアジアン・ペルビアンらしい一品。

(写真2枚目)「Tiradito de Conchas Thai」(45ソレス)。ホタテのティラディートにタイ風レチェ・デ・ティグレと日本のシソをプラスしたアジアン・ペルビアンらしい一品。



◎Baan Perú
Calle Santa Luisa 295, San Isidro Lima, Perú
☎+51-994-204-416
12:30~22:30(日曜~17:00)
無休
カレーベースの料理は30~55ソレス、カクテル類(27~40ソレス)も充実。
https://www.baan.pe/

1ソル=約36円(2022年10月時点)

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