Peru [Lima]
“インパクト農業”で収量ギャップを削減し、小規模農家に力を
2022.08.22
text by Keiko Harada / photographs by Nampi foods
高タンパクで注目されるペルー原産タルウィ豆を主原料としたスナックバーや、オーガニックフルーツを使った栄養補助食品を製造販売する「ナンピ・フーズ(Nampi Foods)」。同社は今、“インパクト農業”のコンセプトに基づき、自社農園周辺の小規模な農業コミュニティを支援している。
インパクト農業(Impact Farming)とは、小規模農家の収量ギャップ(その地域で達成可能な収量と、農家における実際の収量との差)を埋め、国際市場へのアクセスを提供すること。土地にあった最良の農業技術を指導し、小規模農家に力を与えることで、伝統的な農業に革命をもたらそうとしている。
また、地域の農業コミュニティとともに植林や動植物の保護を行い、土壌改善を目指すリジェネラティブ農業(環境再生型農業)にも着手。スペシャルティコーヒーやオーガニックカカオを栽培しているアシャニンカ・ヤネシャ生物圏保護区では、社会的地位が低く教育や農業技術の取得機会に恵まれない先住民女性のエンパワーメント推進にも積極的だ。
「顧客は社会正義を反映したブランドを求めています」とCEOのパトリック・ベラスケス・デ・ベラスコ氏。国内販売はもとよりアメリカへの輸出も好調で、メキシコやコスタリカ、チリへの販路拡大も狙う。健康食品需要の波に乗り、今期は前年比で2倍となる550万ドルの売り上げを目指す。
(写真トップ)オクサパンパにあるアシャニンカ・ヤネシャ生物圏保護区で栽培されるスペシャルティコーヒー「アシ・カフェ(áshi café)」。「アシ」とはアシャニンカの言葉で“私たち”という意味だ。
◎Nampi Foods
Nampi Bar(プロテインバー) 9.9ソレス
áshi café(スペシャルティコーヒー) 29.9ソレス/250g
https://nampifoods.com.pe/
*1ソル=約34.7円(2022年7月時点)
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