Singapore [Singapore]
町の歴史にインスパイアされた店づくり
2014.10.05
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近年、高層ビルの屋上に夜景が楽しめるレストランやバーが続々誕生し、シンガポールの「今」を象徴する風景の一つとして観光客にも人気となっている。
一方で、チャイナタウンのアンシャン・ロード界隈は町並みの保存地区として知られ、小規模なホテルや飲食店が軒を連ねる風景に魅了された地元客、欧米人の姿も多い。ここにバー「ナッツメグ&クローブ」が、2014年6月オープン。店名は19世紀末、周囲がスパイス農園だった歴史に因んで命名された。
メニューは、交易港としての国の創成期、英国植民地時代を経た現代まで、時代や文化をテーマに考案。「黄金の夜明け」は、ジンにサンザシと棗のシロップ、ショウガ、パイナップル果汁などを合わせたショートカクテル。「ジェイド・スプリングス」は、ジンとリキュールに菊・桂花茶等を合わせたアジアらしさが好評だ。漢方薬局から着想を得たというダークウッド調の店内には、歴史文化と情緒ある町並みが融合し、他店にはない個性が輝きを放っている。
(『料理通信』2014年10月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Nutmeg & Clove
17 Ann Siang Road, Singapore 069697
☎ +65-6423-9885
www.facebook.com/nutmegandclove
text by Eri Sasaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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