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JOURNAL / 世界の食トレンド

Spain [Madrid]海外からの富裕層移住が増えるマドリードに豪華レストランが続々誕生

2023.05.18

海外からの富裕層移住が増えるマドリードに豪華レストランが続々誕生

text by Yuki Kobayashi / photoraphs by JOSÉ SALTO(interior)

パンデミック以降、首都マドリードでは高級レストランのオープンが相次いでいる。世界的な経済不安にあっても、スペインでは2008年頃の世界金融危機に伴う経済不況時とは状況が全く違う。ことに首都の活気はコロナ以前を凌駕する勢いだ。


マドリードは欧州の他の都市よりも早く、コロナに関する飲食店の規制を緩めて批判された時期もあったが、2022年から州政府が始めた「州内の交通機関が無料もしくは半額」という政策も功を奏して、観光客が増加。2013年のゴールデンビザ(投資活動のための特別在留査証)政策(50万ユーロ以上の不動産を購入したEU外の外国人に居住ビザを発給)以降、首都はことに南米からの投資が好調で、コロナが収束に向かった2022年以降はさらに不動産投資が加速し、市内高級地区は“新マイアミ”と呼ばれるほど海外富裕層の移住が目立っている。

こうした背景にハイエンド狙いの店舗開店が続く中、ことさら目を引くのはメキシコ人実業家マヌエル・ゴンザレス氏が仕掛けた「ABYA(アビヤ)」だ。不動産業などを手掛けるメキシコの一大コンツェルンを率いるマヌエル氏が、まるで故郷の富裕層をもてなすために作った邸宅のようなレストランだ。

市内高級地区サラマンカの一角にある、20世紀初頭建造の旧サルダーニャ邸をまるごと改装。500㎡の庭、延べ床面積は1000㎡、3階建ての建物全てがレストランだ。ホテルレストランの経験豊富なアウレリオ・モラレスシェフが50人のスタッフを仕切り、メキシカンあり、すしありスパニッシュありと、様々なジャンルの料理を提供する。1階は通し営業で、カクテルや音楽も楽しめる自由な空間。2階はガストロノミーレストラン、3階はプライベートスペースも含み、地下の厨房が巨大なレストランの司令塔となっている。

5000万ユーロをかけた改装は、その破格の豪華さと大胆さに年齢国籍問わず、広い客層に注目されている。

(写真トップ)現代メキシコ人作家たちの力強い個性と、建物本来が持つベル・エポック終末期のテイストが混じり合う空間。

(写真)「ダイナマイトワカモレ、イベリコ仔豚のチチャロン(脂)」17ユーロ。

(写真)「ダイナマイトワカモレ、イベリコ仔豚のチチャロン(脂)」17ユーロ。

(写真)2023年3月にオープン。店名「ABYA」はメキシコの言葉で“生きた土地”、“成熟した土地”を表すという。

(写真)2023年3月にオープン。店名「ABYA」はメキシコの言葉で“生きた土地”、“成熟した土地”を表すという。



◎ABYA
Calle Ortega y Gasset, 32 Madrid
13:00~翌2:00
無休
https://www.abya.es

*1ユーロ=147円(2023年4月時点)

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