1980年以降生まれ 注目の若手シェフ
東京・牛込神楽坂「ボルト オー・クリヨー・ド・ヴァン」仲田高広 Takahiro Nakata
2018.06.21
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PROFILE
1981年1月21日生まれ 東京都出身 O型
01 年 調理師専門学校卒業後、銀座「マルディグラ」(3年・全調理部門)に入店
05 年 恵比寿(当時)「レスプリミタニ」(3年・全調理部門)
09 年 渡仏。ブルゴーニュ「ラ・ピラミッド」、ローヌ「ラ・マドレーヌ」、サンス「オー・クリヨー・ド・ヴァン」(1年・シェフ)
12 年 渡豪。メルボルンのフュージョンレストラン、カフェ、ビストロ、テイクアウト店、和食店、マカダミアンナッツ、工場など多数の店でアルバイトや研修を重ねる。
15 年 東京・赤坂「まるしげ夢葉家」(2年)
17 年 独立
FAVORITE
好きな音楽 ファンク
好きな映画 『タクシー』『怒り』などリュック・べッソン監督作品
好きな本 奥田英朗
『料理通信』2018年7月号取材時点
近年、急速にボーダレス化する食の世界。国を超えて働く先を選ぶことはもちろん、ジャンル、食材、また店間の垣根を越えて、互いの哲学や素材へのアプローチに刺激を受ける1980年代以降生まれのシェフたちが増えています。資源の枯渇や高齢化社会、深刻な人材不足など、食を取り巻く課題が溢れる中、アイデアとテクニックを武器に生き抜く、新世代の料理人たちの発想はどのように生まれるのでしょうか。これからの食の世界のキーパーソンに、未来を切り拓く仕事術を一問一答で伺いました。
美食に対する、日本人の先入観を捨てよう
Q1 : 食べ手の心を動かすアイデアとテクニックを、どう身につけてきたか?
A1 : 「マルディグラ」和知シェフからはフレンチの基礎を、「レスプリミタニ」三谷シェフからは精神力、体力、調理場での洞察力を修得しました。修業店それぞれにルールがあり、シェフの意向も併せて推し量る洞察力は、どこに行っても役に立ちます。
Q2 : 世界で働く際に、必要な資質。日本人(自分)の強みはどこにある?
A2 : 勤勉さ。現状把握に優れ、柔軟に対応できるところ。ただもう少しガツガツ行ってもいいと思う。
Q3 : 今、世界とどう繋がっている? 気になる世界の料理トレンドや料理人
A3 : 昔に出版された古典料理の教本。かえって新鮮。また、店のある神楽坂周辺の料理人数人で相互交流を図っています。
Q4 : 尊敬する人とその理由(食の世界に限らず)
A4 : マドンナ。古きに囚われない柔軟な姿勢で、60 歳近い今も、最先端の時代感覚を維持している。
Q5 : 個性を打ち出すために店づくりで工夫したポイント
A5 : ハードは居酒屋、ソフトはフレンチ。居酒屋スタイルに則り、フランス料理の技法で作るビストロ料理を供しています。基礎は大切にする必要があるけれど「ビストロはこうあるべき」という先入観を捨てれば、自由になる。発信力も増します。
Q6 : スペシャリテについて。料理でもっとも大切にしていることは?
A6 : リ・ド・ヴォーが持つ、ミルキーでふわふわの食感を生かすため、下茹では最小限に。バターでアロゼしながらじっくり仕上げます。牡蠣バターソースには隠し味にかんずりを効かせ、山(=肉)と海(=牡蠣)の食材をつなぎます。
Q7 : 料理人として、これからどう生きていきたいか?
A7 : 海外から食トレンドを取り入れるのはもう古い。日本の居酒屋は“IZAKAYA”として海外に誇る食文化。この日本固有の食カルチャーを世界へ発信してゆきたい。その先にコックの地位向上が待っているとも思います。
photographs by Masahiro Goda
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SPECIALITE
リー・ド・ヴォー 牡蠣バターソース
◎ 東京・牛込神楽坂「ボルト オー・クリヨー・ド・ヴァン」
住所 | 東京都新宿区箪笥町27神楽坂佐藤ビル1F |
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電話番号 | ☎03-5579-8740 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 月曜、第2、第4火曜休 |
アクセス | 都営線牛込神楽坂駅より徒歩2分 |
MENU | 予算6000円前後~、アラカルト中心(1皿600円~)(税別、サなし) グラスワイン500円前後~、ボトルワイン4800円~ |