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PEOPLE / シェフ名鑑(アーカイブ)

「料理を前進させる」

プリズマ 齋藤智史 Tomofumi Saito

May 19, 2015

photographs by Tsunenori Yamashi

1974年2月25日生 / 北海道出身 / O型
20歳でイタリアへ。ロンバルディア州「ダ・ヴィットリオ」、ヴェネト州「ティーボリ」で2年間修業。帰国後、1年ほどフランス料理店でフレンチの技術を学び、その後、2軒のイタリア料理店のシェフを経て、2004年「イル リストランテ ネッラ ペルゴラ」を開店。11年、場所を青山に移して、「プリズマ」としてオープン。

FAVORITE
音楽 : 甲本ヒロト
本 : 政治関係
映画 : 『Che ora e?』(邦題「BARに灯ともる頃」)

MY LEGEND
菅原文太(故人) 
「おひさまのファーム 竜土自然農園(山梨・明野町)」創業者。1933年生まれ。俳優業を経て、2009年、農業生産法人である同社を設立。山梨県北杜市にて約6反の農地を借り、化学肥料と農薬を使わない野菜作りを始めた。

ジャンフランコ・ソルデーラ
農園ワイナリー「カーゼ・バッセ(伊・トスカーナ州モンタルチーノ)」ワイン生産者。ミラノでの保険業を経て1972年にモンタルチーノでワイン造りを開始。”見捨てられた土地“を森、小川、庭、ブドウ畑など生態系のバランスのとれた環境に整え、昔ながらの栽培法で管理。発酵、熟成は樫の大樽で、近代的な温度調節機能を施さず、自身の嗅覚のみに頼る醸造に徹する。ブルネッロ最高峰の評価を得る。


キャビアと赤ワインのタリオリーニ

夜のコースの一品

活の松葉ガニを潰し、赤ワイン、野菜、鶏のスーゴで煮出したソースで和えるタリオリーニ。トップにキャビアを添えて。これ以上ないシンプルな姿の中に、ふくよかな奥行きのある味わい。複雑でありつつ研ぎ澄まされて“一個の味”に集約されたありようが見事。

花ズッキーニのアル・ヴァポーレ ポルチーニ茸のソース

夜のコースの一品

花の中に詰まっているのは、とろとろに煮た実のズッキーニ。ブロードでくたくたになるまで煮た後に木ベラでピュレ状にし、パルミジャーノやパン粉、バジルと合わせてある。プリズマの料理はいつもシンプルにして精緻だ。


必要とされるためのキーワード
自分の価値観に妥協しない。

広尾「ペルゴラ」から青山「プリズマ」になって1年。斎藤さんの仕事はいっそう純度を増した。ペルゴラを手放し、厨房には自分一人だけ。妥協のない姿勢を貫く。

 そもそも「反骨」として開いたプリズマである。斎藤さんの価値観から認めがたいものが持てはやされる社会の現状に対するアンチテーゼの店だから、納得できない仕事を自らに許すわけにはいかない。「以前なら行きつけを10軒持っていた方も、この経済状況では2軒くらいに減っていることでしょう。突き詰めた仕事をしているかどうかを敏感に感じ取り、厳しく選別しているはずです。こちらも真剣勝負の全力疾走」

 素材を選ぶ眼はさらに厳格になった。「尊敬するワインの造り手が『ブドウにとっては収穫自体がダメージなんだ』と言う。なら、料理人は食材に包丁を入れた時からダメージを与えているとの覚悟で調理しなければ」

 反骨の店だから迎合はしない。「作りたい料理が作れなくなったら、やめるだけのことです」


◎プリズマ
東京都港区南青山6-4-6 青山ALLEY 1F
03-3406-3050
18:00~20:30LO
定休日 水曜休
カード 可
座席 10席
タバコ 禁煙
アクセス 東京メトロ表参道駅より徒歩6〜7分
http://prisma-tokyo.com

夜10800円、15120円(税込・サ別)
【WINE】 グラス 白3種、赤3種 1296円~、ボトル 6480円~

「2011年10月クリエイション魂」 掲載
「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
バックナンバーはこちら

(『料理通信』2012年5月号取材時点)

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