“あの香り”をスパイスで再現「自家製コーラ」
【DIYレシピ】「マルカン」川島健祐
2024.06.04
photographs by Kiyu Kobayashi
連載:DIYレシピ
塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。天日に干したり、発酵させたり、自然の力にゆだねるレシピは、人間本位ではない生き方を学ぶ処方箋。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。今回は、これからの蒸し暑い時期、爽やかになるひと時をくれる「コーラ」です。あの独特の風味を果たして再現できるのか⁉ 飲めば納得のおいしさです。
目次
- ■教えてくれた人:東京・都立大学「マルカン」川島健祐さん
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■スパイスで香りを、季節の柑橘で酸味を出す
- ■「自家製コーラ」材料と作り方
- ■「自家製コーラ」の展開例
- ■東京・都立大学「マルカン」の店舗情報
教えてくれた人:東京・都立大学「マルカン」川島健祐さん
スパイスで香りを、季節の柑橘で酸味を出す
以前、マルシェイベントでハンバーガーを出した時に、「ハンバーガーといえばコーラでしょ!」と思って作ってみたのがこれ。試作一発目で狙い通り、コーラらしい味わいが作れました。
重要なのはバニラとシナモン、カルダモンかな。バニラの甘い香りとカルダモンの清涼感が絶妙のバランスで合わさるとコーラ特有の「あの香り」になり、酸味は柑橘で出します。今回はポンカンを使いましたが、季節によってはミカンでもオレンジでもOK。皮の裏の白い部分を丁寧に削いで、苦味を出さないようにするのがポイントです。最後にレモン果汁を足しても良いと思います。
また、今回は色の薄い甜菜糖を多めに使いましたが、よりコーラらしい色にするなら黒砂糖の比率を増やしてもよいでしょう。色合いも味わいもナチュラルで優しいので、どちらかというとスパイスエールやジンジャーエールに似た雰囲気かも。
単に炭酸水で割るだけでなく、お湯で割ってホットコーラにしたり、コーラカクテルに使ったりと幅広く展開できます。スパイスが効いているから、牛乳に入れるとチャイみたいでおいしいですよ。コーディアルとして捉えれば、使い勝手の良いアイテムです。
「自家製コーラ」材料と作り方
[材料](作りやすい量)
レモン(国産無農薬)・・・2個
ポンカンの皮・・・2個分
カルダモン・・・20個
シナモンスティック・・・3本
クローブ・・・20個
ナッツメグ・・・小さじ1/4
バニラビーンズペースト・・・小さじ3/4
甜菜糖・・・360g
黒糖・・・40g
水・・・400ml
[作り方]
[1] レモンを切る
レモンを5mm幅の輪切りにする。
[2]ポンカンの皮の下処理
ポンカンはナイフで皮を剥き、苦味のもとになる裏の白いワタを削ぎ落とす。
[3]カルダモンの種を出す
カルダモンは手で割って中の種を出す。コップの底などで軽く叩いて割っても良い。外皮も使うので捨てないこと。
[4]ナッツメグをする
ナッツメグはおろし金ですりおろす。ホールがなければ同量のパウダーでも。
[5]加熱する
鍋に1~4と残りの材料を全て入れて、中火にかける。
[6]寝かせる
時折かき混ぜ、軽く沸いて砂糖が溶けたら火を止める。漉さずに一晩冷蔵庫で寝かせてから使う。
POINT:レモンから苦味が出ないよう、煮過ぎないこと。
シロップの液体部分40mlを炭酸水150ml程度で割る。スパイスやピールもグラスに沈めれば見た目も楽しい。爽やかで優しい味わい。
「自家製コーラ」の展開例
【コーラモヒート】
[材料]
ホワイトラム・・・30ml
コーラシロップ・・・30ml
ペパーミント・・・適量
ライム・・・1/2個
氷、炭酸水・・・各適量
[作り方]
[1]グラスにラム、コーラシロップ、ミントを入れ、ライムを搾り入れる。
[2]ステアスプーンでミントを軽く潰しながらよく混ぜる。
[3]氷、コーラシロップの柑橘ピール(分量外)を入れ、炭酸水を注ぐ。
【ホットミルクコーラ】
[材料]
牛乳・・・140ml
コーラシロップ・・・大さじ1
シナモンパウダー・・・少量
[作り方]
[1]牛乳を沸騰しない程度に温める。
[2]カップにコーラシロップ、1の順に注ぎ、よく混ぜる。
[3]シナモンパウダーを振る。
東京・都立大学「マルカン」の店舗情報
◎marucan(マルカン)
東京都目黒区中根1-1-7
☎03-5731-2117
18:00~22:00LO
日曜・祝日休、平日週1日不定休
東急線都立大学駅より徒歩1分
Instagram:@marucan555
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2018年4月号掲載)
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