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RECIPE

アウトドアクッキングの達人に教わる

防災食にもなる時短&エコパスタ「ビーフクリームパスタ」

アウトドアレシピ11

Jul 21, 2022

photographs by Kiyu Kobayashi

アウトドアの新メニューに加えたい、外でも作りやすく、家でもリピートしたくなる味をアウトドアの達人に教わります。今回は、水つけパスタを使ったボリュームたっぷりのパスタ料理を紹介します。茹でる工程なし、ひと鍋でできる驚きの時短レシピです。

教えてくれた人:料理家 蓮池陽子さん

アウトドアと山菜とみそを愛する料理家。商品開発、レシピ開発、フードコーディネート、テレビ番組の料理監修などで活躍。“すでにある地域の食の魅力を伝える”をテーマに活動する「H3FoodDesign」メンバー。著書に『キャンプの肉料理』(オークラ出版)、『アウトドアでホットサンド』『簡単シェラカップ料理』(共に山と渓谷社)など。2021年より北信州を拠点に、山菜やきのこ狩りと料理体験を組み合わせたツアーをスタート。


アウトドア料理は、発想の転換が大事!

登山やトレッキングでは荷物を最小限にするために、道具も食材も厳選しなくてはいけません。例えば、最近人気のシェラカップは、食器にも鍋にもなる登山者の定番アイテムです。キャンプなら玉じゃくしや計量カップとしても使えます。何役も兼ねる道具を選ぶと荷物が減らせますよ。 

食材も同様に、用途に広がりがあるものを選びたい。乾物のような軽くて、常温でも傷みにくい保存食類は便利。下味を付けた肉を凍らせて保冷剤にしたり、米を浸水させて持参したり、現地での調理の手間、時間を減らすために事前の仕込みもポイントです。

乾麺を茹でる必要があるパスタは、火口の数が限られるアウトドアでは敬遠されがちですが、水に1時間程度浸けると、茹でる工程を短縮できます。調理時間も短くなり、少量の水で調理できるので実はアウトドア向き。出来上がりも、生麺のようなモチモチした食感になり、おいしいですよ。

アウトドアではBBQなど「焼く」調理が多くなりがちですが、火加減が難しい面も。「茹でる」調理にすると失敗が少なく、洗いものも楽になります。制約のある環境で、快適に調理するためには、従来の用途、方法にこだわらない、発想の転換が大事なのです。


「ビーフクリームパスタ」材料と作り方

[材料](作りやすい分量)
パスタ(乾燥)・・・150g
牛挽き肉・・・150g
タマネギ(みじん切り)・・・1/3個
マッシュルーム(薄切り)・・・4個
白ワイン・・・50 ml
生クリーム・・・150ml
水・・・150ml
レモン汁・・・小さじ1弱
オリーブ油・・・大さじ1
塩、コショウ・・・各適量

[下準備]
パスタは、バットやプラスチックの保存袋に入れ、かぶる程度の水に1~2時間浸ける。水に浸けると写真下のように色が白くなり、生麺のようにやわらかくなる。1日程度、冷蔵保存できるので、事前に仕込んでもよい。

[作り方]
[1] 具材を鍋に加える
牛挽き肉に塩少量を混ぜる。鍋(または深さのあるフライパン)にオリーブ油を熱し、肉、空いている部分にタマネギ、マッシュルームを入れる。

[2]具材を炒める
中火にして時々野菜を混ぜながら、肉に焼き色をつける。肉を裏返して少し焼いたら、白ワインを加え、肉を崩しながら混ぜる。

[3] パスタを加える

生クリーム、水、塩少量、水を切ったパスタを加える。

[4] パスタに火を通す
パスタを混ぜつつ、麺の色が変わるまで中火で加熱する。レモン汁、塩、コショウで味を調えて火を止める(麺の色が変わってから30秒~1分で完成が目安)。水分が足りないようなら水を少量加える。

[5] 盛り付ける
器に盛りつけ、マッシュルーム、イタリアンパセリ(ともに分量外)を飾る。

ソースに入れるとパスタの色が変わり、あっという間に完成する。牛挽き肉の旨味たっぷり、リッチなクリームソースがモチモチのパスタによく絡む。

<蓮池陽子さんおすすめ アウトドアクッキングを快適にする道具>


変幻自在の万能アイテム シェラカップ
直火にかけられる金属製のカップは、鍋、食器、さらに玉じゃくしや計量カップにもなる。ホイルを敷けばフライパンにも。軽く、重ねて収納でき、荷物に制限がある場面で重宝する。最近は100均でもザル型など類似商品が販売されている人気アイテム。

初心者でも快適に料理できるガスバーナー・コンロ
ガス缶にカートリッジを挿すだけで簡単に火をつけられる「シングルバーナー」(左)。コンパクトだが五徳が大きく、安定して鍋やフライパンもかけられる。大きな鍋を載せられるカセットコンロは、風防機能付き(右)か、風よけがあるタイプを。

何役も兼ねるキッチンツールを シリコンスプーン、トング、ナイフ
混ぜたり、サーバーに使えるシリコン製スプーンは、鍋や食器の汚れを拭い取るスクレーパーにもなる。トングはグリル料理に使うほか、パスタを取り分けるサーバーに。2サイズを用意すると便利。ギザギザ刃のナイフは野菜、肉、パンを潰さず切れる。

軽くて割れにくい食器を
紙皿、紙コップは手軽だが味気ないしゴミになる。風に飛ばされることも。繰り返し使えて、軽くて持ち運びやすい素材の食器を選びたい。木や竹など自然素材を使った“エコ食器”のバリエーションも増えている。ホーロー製は割れにくく、洗いやすい。

自然を汚さない配慮を エコな洗剤&たわし
浄水設備が整っていない屋外では、一般的な食器用洗剤ではなく、無添加、植物性のエコ洗剤を使い、自然を汚さない配慮を。スポンジより、洗剤不要のアクリルたわしや、自然素材のたわしを選びたい。洗う前に汚れを拭うと水の量を減らすことができる。

◎蓮池陽子さんの著書


『簡単シェラカップレシピ』『バウルー公認! アウトドアでホットサンド』(いずれも山と渓谷社)など多数。

(雑誌『料理通信』2020年11月・12月合併号掲載)

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