東南アジアのハーブが香るヴィーガン・ミルクスイーツ「パンナ・ココ」
プラントベースの始め方60
2026.03.09
text by Sakurako Uozumi / photographs by Shiro Muramatsu
連載:プラントベースの始め方
健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。
目次
教えてくれた人:宮崎剛次さん
1981年、長崎県生まれ。調理師学校を卒業後、23歳でニューヨークへ渡り、和食や多国籍料理、ストリートカルチャーに触れる中で、料理の奥深さと表現の自由さに目覚める。2011年に渡仏。二つ星レストラン「Passage 53」にてスーシェフを務める。17年、パリにてガストロノミーとストリートフード、音楽を融合させたビストロ「Mr. T」をオープン。既成概念にとらわれない発想と、味の完成度を両立させた料理で、国内外のゲストから高い評価を受けている。26年、ベトナム・ホーチミンにてレストラン「P.D.M」を開業予定。
野菜を半身浴で煮て、撹拌前に水を足す
グルテンフリーのパティスリーやカフェが増え続けるパリ。グルテンアレルギーの人だけでなく、グルテンを摂らないことで、疲れにくくなったり体質改善されたと実感するオーガニックラバーは多い。彼らはヴィーガンへの関心も高く、そんな情勢を受けて、ヴィーガン商品が続々と登場している。
「ヴィーガンは、従来の料理とはアプローチの異なる分野。方法論の違いをストレスに感じずに楽しく作ることが大切です」とは、パリ初のグルテンフリーレストラン「ノーグル」でシェフ兼パティシエを務めた宮崎剛次さん。
ココナッツミルクのパンナコッタは、エスプーマによって軽さをもたらし、レモングラスやコブミカン、コリアンダーなどで香り付けすることで、ヴィーガンとは思えない味わいに仕上げた。
「ベトナムのフォーから着想を得ました。ココナッツミルクに東南アジアのハーブが合わないわけがないでしょう?」。ココナッツミルク、黒蜜、フルーツの3つのパーツから成るが、すべての食材が見事に調和し、甘味、酸味、香りなどの特性がくっきりと浮かび上がる。
牛乳を豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクなどに置き換えて作るケースは多いが、そのまま入れ替えて済むわけではない。「素材の組み合わせや加熱の方法をミリ単位で考えながらバラエティーを広げていきます」。豆乳なら黒胡麻の風味を封じ込めて胡麻プリンに。同じ考え方でアイスクリームもできるという。
宮崎さんはそれぞれのミルクの特性に合わせて、フルーツ、ナッツ、様々なハーブを組み合わせて可能性を追求している。
「パンナ・ココ」材料と作り方
[材料](20個分)
<ココナッツミルクのパンナコッタ>
ココナッツミルク・・・2L
砂糖(「ヴィーガン素焚糖」大東製糖)・・・150g
寒天パウダー・・・12g
レモングラス3本、ショウガ3g、コリアンダー3g、ミント3g、コブミカン2個
<黒蜜のシロップ>
黒糖・・・70g
水・・・50g
<フルーツのマチェドニア>
パイナップル・・・1個
マンゴー・・・1個
砂糖(「ヴィーガン素焚糖」大東製糖)・・・30g
レモン・・・1個
ミント(みじん切り)・・・適量
<飾り>
ハーブや花(ディル、コリアンダーの新芽、スミレ、アスティナクレス)
[作り方]
[1]黒蜜シロップを作る
小鍋に黒糖と水を入れて中火で沸騰させ、糖分をよく溶かして硬めに煮詰める。
[2]マチェドニアを作る
フルーツは皮を剥き、3㎝の角切りに。ボウルに入れて砂糖をまぶし、レモンを絞りかけ、ミントを和える。
[3]パンナコッタ用のハーブを刻む
レモングラスは2㎜、ショウガはせん切り、コリアンダーとミントはざく切り。コブミカン1個は皮を剥きワタを除く。
[4]ココナッツミルクを温める
鍋にココナッツミルクを入れ、中火にかける。沸騰したら砂糖を入れる。
[5]グラニュー糖を溶かす
弱火にして、じっくり砂糖を溶かし、滑らかになったら、火を止める。
[6]寒天とハーブを加える
寒天パウダー、ハーブ類を入れ、よく混ぜ合わせる。火から下ろし、粗熱を取ってラップをかけて冷蔵庫で30分休ませる。
[7]器に盛る
器に黒蜜を流し入れ、マチェドニアを大さじ2杯ほどのせる。
[8]エスプーマを盛る
冷やした6を漉し、エスプーマに入れて、器に丸くこんもりと盛りつける。
[9]仕上げ
飾り用のハーブと花をあしらった後、コブミカンの皮を削って仕上げる。
ココナッツミルクに東南アジアのハーブを合わせた香り高い一品。
(雑誌『料理通信』2017年8月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
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