イタリアの夏のヘビロテ・リメイク料理。「トマトのパンツァネッラ」
パワーオフ・レシピ
2023.07.20
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photographs by Jun Kozai
連載:パワーオフ・レシピ
エアコンの使用などで家庭での電気使用量が急増する夏。一人ひとりがエネルギー消費の節約に取り組むことが気候変動抑制につながることから、電気やガスを使わなくてもおいしく作ることができる「パワーオフ・レシピ」をシェフに教わります。暑い日に台所で火を使いたくないときはもちろん、知っておくとガスや電気が止まった災害時やアウトドアでも役立ちます。電気・ガス代が過去最高水準になっている今、家計防衛術としてもレパートリーに取り入れたいレシピです。
教えてくれたシェフ
大阪・肥後橋「オステリア ラ チチェルキア」連(むらじ)久美子さん
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イタリア・マルケ州のワインと家庭料理の店「オステリア ラ チチェルキア」オーナーシェフ。東京「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」で2年半働いた後、長野で農業を体験。イタリアスローフード協会の講習に参加し、マルケの食文化に魅せられ、現地のリストランテで1年半修業。帰国後、ソムリエの資格を取得し、2012年5月現店をオープンし、昨年10周年を迎えた。ミシュランガイドでビブグルマンに選ばれている。
トマトをマリネする手間なし!
イタリアの家庭で夏によく食べられているサラダ「パンツァネッラ」。硬くなったパンを水でふやかし、野菜とドレッシングで和える料理です。
イタリア・マルケの修業先「コークス・フォルナチス」のシェフ、マルコに教わったパンツァネッラは独特でしたね。硬くなったパンを水ではなく酢水に浸けて優しく絞り、好みの野菜をのせて、塩とオリーブ油をかけて完成! わざわざドレッシングを作らなくてもいい。パンの下味効果で、トマトの旨味とすぐに混じり合います。塩と酢をほどよく効かせただけなのに、日本人の舌にもしっくりくる味です。
「トマトのパンツァネッラ」材料と作り方
[材料](2人分)
硬くなったパン(バゲットでも可)・・・2切れ
水・・・400ml
赤ワインビネガー・・・12ml
塩(海塩)・・・4g
トマト・・・中1個
イタリアンパセリ・・・適量
E.V.オリーブ油・・・適量
<材料のポイント>
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赤ワインビネガーでコクがあり優しい酸味に。店では塩分控えめのマルケ風パンを使う。
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愛用するシチリア産の海塩は、甘味と複雑味があり、野菜の味わいを素直に引き出してくれる。舐めてみてやんわり甘味を感じる塩で作ると、仕上がりもひと味違ってくる。オリーブ油も上質なものをたっぷり使うこと。
[作り方]
[1] パンに水分を含ませる
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酢と水、塩を合わせ、硬くなったパンを浸ける。やわらかくなったら指先で少し絞る。崩れやすいので注意。
[2]トマトをのせる
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トマトを16等分のくし形に切り、パンの上に並べる。
[3] オリーブ油を回しかける
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塩をふり、オリーブ油を回しかけ、みじん切りにしたイタリアンパセリを散らす。
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パンは酢水に浸すだけ。トマトはあらかじめドレッシングと和えておかなくても、パンの下味効果で、トマトの旨味とすぐに混じり合います。塩気のあるバゲットを使う場合は、酢水に加える塩を気持ち、控えめにしてください。
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◎オステリア ラ チチェルキア
大阪府大阪市西区京町堀2-3-4
Sun-Yamamoto Bld.303
☎06-6441-0731
18:00~24:00LO
14:00~23:00LO(日曜)
火曜休、月1回不定休あり
Instagram:@osteria.la.cicerchia
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2019年7月号掲載)
いつもの生活で、エネルギー消費量を減らしてみる
今日からできる気候変動へのアクション
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国連広報センターが「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志とともに、気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」を実施しています。料理通信はこのキャンペーンに参加し、食にかかわる気候変動への取り組みを国内外から紹介しています。
●ActNow! 今すぐできる『10の行動』
「ActNow」は、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーン。どんなことが気候変動の抑制に役立つのか、身近な行動を10項目挙げています。「家庭で節電する」では、家庭で毎日の生活のなかのエネルギー消費量を減らすことが気候変動の防止に役立つとされています。
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家庭で節電する
私たちが使用する電力や熱の大部分は、石炭や石油、ガスを燃料としています。冷暖房の使用を控え、LED電球や省エネタイプの電化製品に取り替え、冷水で洗濯し、乾燥機を使わずに干して乾燥させてエネルギー消費量を減らしましょう。
(国連・ActNowキャンペーン:気候変動の抑制に対して個人でできる『10の行動』より)
イラスト:Niccolo Canova
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