アメリカの夏の定番菓子「ズッキーニブレッド」
レスキューレシピ【夏野菜編】
2024.08.26
photographs by Hiroaki Ishii
連載:レスキューレシピ
日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わります。8~9月のテーマは【夏野菜】。夏が中盤に差し掛かると、夏野菜の食べ方もマンネリ化しがち。バリエーションの幅を広げ、食材のおいしさを再認識するレシピをご紹介します。今回は、アメリカの定番ホームメイド菓子「ズッキーニブレッド」。甘さ控えめで朝ごはんにもおすすめです。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)
目次
- ■教えてくれた人:東京・麻布十番「ハドソン マーケット ベーカーズ」店主・大坪ほまれさん
- ■バターと卵をしっかり乳化させるのがポイント
- ■「ズッキーニブレッド」材料と作り方
- ■東京・麻布十番「ハドソン マーケット ベーカーズ」の店舗情報
教えてくれた人:東京・麻布十番「ハドソン マーケット ベーカーズ」店主・大坪ほまれさん
文化服装学院卒業後、ニューヨークへ。10年暮らす中でアメリカの食に魅せられ、帰国後は料理教室を主宰。2013年現店をオープン。黒糖、雑穀、ナッツやドライフルーツなどの自然の恵みをたっぷり使ったニューヨークスタイルの焼き菓子を提供する。
バターと卵をしっかり乳化させるのがポイント
ズッキーニブレッドは、アメリカやイギリスをはじめとするヨーロッパ諸国では、家でお母さんが作るお菓子の定番。ズッキーニの味はしませんが、スパイシーでナッツたっぷりのケーキは、甘いものが苦手な方にも好評です。
ポイントは材料をきちんと量る、常温に戻しておいたバターを卵としっかり乳化させる。以上! パウンドケーキは本当に簡単なんです。甘さ控えめが好みなら、グラニュー糖は100gくらいまで減らしてもいいし、ズッキーニを増やしてもいい。ナッツもお好みで。慣れるほどに、自分好みの味が作れるようになります。
焼きたてよりも、一晩寝かせたもののほうがしっとりしておいしくなります。
「ズッキーニブレッド」材料と作り方
[材料](11. 5cm×22cm×6cmのパウンド型1 台分)
ズッキーニ・・・150g
レーズン・・・90g
クルミ・・・90g
バター(無塩)・・・120g
バニラオイル・・・小さじ1/2
グラニュー糖・・・140g
黒砂糖・・・30g
塩・・・小さじ1/2
卵・・・2個
A
薄力粉・・・230g
ベーキングパウダー・・・小さじ1/4
重曹・・・小さじ2/3
シナモン・・・小さじ1
ナッツメグ・・・小さじ1/4
クローブ・・・小さじ1/4
[作り方]
[1]ズッキーニをおろす
ズッキーニは適当な大きさに切る。レーズンと共にフードプロセッサーにかけ、5~8㎜の大きさにおろす。
[2]クルミを加える
1にクルミを加え、フードプロセッサーを3~4回、短く回してクルミを大きめに砕く。
POINT:クルミが小さくならないよう、後から加える
[3]バターを混ぜる
ボウルに常温に戻したバター、バニラオイル、グラニュー糖、黒砂糖、塩を入れて、ハンドミキサーで混ぜる。
[4]卵を加える
3に卵を一つずつ加えて、ハンドミキサーで混ぜ、滑らかにする。
POINT:空気を含んで白っぽくなる
[5]粉をふるう
ボウルにザルを重ねる。材料Aの粉をザルに入れ、ふるう。
[6]粉を加える
4に5を加えてヘラでさっくりと混ぜる。
[7]ズッキーニを加える
粉が全体になじんだら、2を加えて、ヘラで均一になるまで混ぜる。
[8]型にペーパーを敷く
オーブンペーパーを型に合わせて切る。パウンド型にバターを塗り、ペーパーを敷く。
[9]生地を流し込む
型に生地を流し入れ、ヘラで表面を平らにする。
[10]オーブンで焼く
175℃のオーブンで、約60分焼く。
[11]火の通りを確認する
串を刺してみて、何もつかなかったら火が通っている。
[12]生地をなじませる
オーブンから出し、粗熱をとってから型から外す。一晩置いて生地をなじませることで、しっとりした食感に。
ズッキーニたっぷりのしっとり食感で、ナッツメグ、クローブ、シナモンなどのスパイス香がかぐわしく、甘さはやや控えめ。ナッツやドライフルーツもざくざく入っていて、食べ応えも十分。
東京・麻布十番「ハドソン マーケット ベーカーズ」の店舗情報
◎ HUDSON MARKET BAKERS
東京都港区麻布十番1-8-6
☎03-5545-5458
11:15~19:00
不定休
各線麻布十番駅より徒歩2分
https://hudsonmarketbakers.jp/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2017年8月号掲載)
掲載号はこちら
関連リンク