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RECIPE

味変に大活躍する「セロリ塩」。アレンジ自在、フレーバー塩の作り方

レスキューレシピ【捨てないレシピ編】

2023.03.30

味変に大活躍する「セロリ塩」。アレンジ自在、フレーバー塩の作り方

photographs by Tsunenori Yamashita

連載:レスキューレシピ

日本の食品ロス量は年間570万トン*と言われています。生鮮食品においても、豊作で余ったり、規格外、傷、スレがあって売り物にならず、行き場のない食品が日々廃棄されているのです。家庭内で料理中に出る端材や余らせがちなパーツも、新たな魅力を見出し、活用法を考えることで捨てる量を減らせます。食材を無駄にせず、おいしく食べるための活用術をシェフの技に学びます。
*農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和元年度)」

目次






教えてくれた人:ヴィーガン料理家 庄司いずみさん

庄司いずみさん

ヴィーガン料理家。日本ベジタリアン学会会員。かんぶつマエストロ。ヴィーガン専門の料理教室『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』を主宰するほか、ヴィーガン料理の商品開発やレシピ監修も手掛ける。『作りおきヴィーガン』(主婦の友社)、『からだが整う ゆるヴィーガン・レシピ』(世界文化社)など著書は70冊以上。

<フードロスへの取り組み>

仕事上、試作や撮影などで野菜があまることが多いので、できるだけ無駄を出さないよう干し野菜のテクニックをよく使います。素材、用途によってせん切りや薄切り、みじん切りなど、水分が飛びやすいよう細かく切って天日に2、3日干して使います(今回のレシピでは、失敗がないようオーブンで乾燥させています)。自家製切り干し大根や干しニンジンなどは、煮物や汁の実に便利。ショウガやニンニク、ネギなど、香味野菜もまとめて切って干しておくと、使う時も助かります。干す以外にも、冷凍したり、常備菜に使っています。フードロス対策にもなる上に、日頃の調理も楽になる一石二鳥の方法だと思います。


乾燥させた食材でアレンジ自在

様々なフレーバーがついた塩を見かけますが、これらは家でも作れます。余った野菜、使いきれなかったハーブ、スパイスを塩と混ぜて。香りもフレッシュで、気分に合わせてアレンジもできます。

「セロリ塩」は、セロリの葉を干し野菜の要領で乾燥させて作ります。天日やオーブンで水分を飛ばし、塩と混ぜる。味は天日が一番ですが、他の乾燥方法でも十分香ります。

電子レンジで作る場合は乾燥が早いので、まず600Wで1分、後は30秒ずつ様子を見て。乾きすぎると食材がボロボロになり、香りも飛びます。手でほぐせない塊は水分が抜け切ってない証拠。傷みの原因になるので取り除きます。水分をしっかり抜けば、常温で12カ月は保存可能です。

塩の割合は好みですが、最初はやや少なめに。多いと香りが足しづらくなります。

フライドポテトにふると、いつものポテトをさっぱりした味わいに“味変”できます。パセリで作ってもいい。また、揚げもののつけ塩に、乾燥させたショウガやユズの皮、大葉で作ったフレーバー塩もいいアクセントになります。一つ常備しておくと、何かと重宝しますよ。


セロリの葉を有効活用 「セロリ塩」材料と作り方

[材料](作りやすい分量)

セロリの葉

セロリの葉・・・2本分
塩・・・小さじ1~2

[作り方]
[1]セロリの葉をちぎる

セロリの葉をちぎる

セロリの葉をちぎり、水で洗う。キッチンペーパーで水気をよく拭く。

[2]オーブンで乾かす。

オーブンで乾かす。

オーブンシートに並べ、120℃のオーブンで20~30分乾かす。

[3]オーブンから取り出す。

オーブンから取り出す。

葉が縮まり、全体が乾燥すればOK。オーブンから取り出す。

[4]手で細かく砕く


手で細かく砕く

手で細かく砕く。崩れない塊は、水分が抜けていないので取り除く。

[5]塩と合わせる

塩と合わせる

すり鉢にと塩を合わせ、軽くすってなじませる。

味変に大活躍する「セロリ塩」。アレンジ自在、フレーバー塩の作り方

セロリの茎のせん切りやダイコンにふって浅漬けにしてもいい。ドライにしたニンニクやショウガ、オレガノやバジルを足してアレンジも楽しめる。常温で12カ月程度保存できる。


<セロリ塩 展開例>

フライドポテトに・・・ジャガイモを皮ごとくし切りにし、170℃に熱したオリーブ油で2~3分間、こんがり色づくまで揚げる。セロリ塩をふってまぶす。

フライドポテトに・・・ジャガイモを皮ごとくし切りにし、170℃に熱したオリーブ油で2~3分間、こんがり色づくまで揚げる。セロリ塩をふってまぶす。

(雑誌『料理通信』2016年4月号掲載)

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