口の中でとろける。クリーミーな「胡麻豆富」
2025.01.27
photographs by Kouichi Takizawa
連載:スローレシピ
材料をイチから用意し、時間をかけて、料理すること自体をゆっくりと楽しむ。それが“スローなレシピ”。時短とは真逆の価値観の先に、とびきりの味が待っています。今回は、日本酒のアテにぴったりな「胡麻豆富」。口の中でとろけるようなやわらかさは、作りたてならでは。おもてなしにもぴったりの一品です。
目次
教えてくれた人: 東京・中目黒「中目黒 ないとう」内藤大輔さん
出身である熊本の割烹料理店で修業を開始。上京し、都内の星付き割烹料理店などで研鑽を積む。「中目黒 伍燗」の店主を経て、2018年に独立して現店をオープン。利き酒師でもあり、全国の地酒に加え、シャンパーニュやブルゴーニュを中心としたワイン等も豊富に揃える。
開店時間から逆算して作る出来立ての味
豊富な日本酒やシャンパーニュなどと共に、ゆったりと食事を楽しむことができる割烹「中目黒 ないとう」。スペシャリテの「胡麻豆富」は、熊本での修業時代に師匠から教わったレシピで、オープン以来変わらず提供している。
「出来立てのおいしさと香りを楽しんでいただきたいので、毎日、開店時間から逆算して作っています」
ふるふるとやわらかくクリーミーな舌触りで、ゴマが豊かに香る。ポイントは、焦げ付かないように、とろみがつき始めたら素早く手を動かして練り上げること。これ目当てのリピーターもいるほど、多くの人に愛されている一品だ。
「胡麻豆富」材料と作り方
[材料](40g×30人分)
牛乳・・・1400ml
練りゴマ(京都産「むら田」)・・・300g
葛粉(奈良産「吉野本葛」)・・・45g
塩(ベトナム産「カン・フォア」)・・・小さじ1
ワサビ・・・適量
<割り醤油>
だし2に対し、濃口醤油1の割合
[作り方]
[1]葛粉を溶かす
牛乳、練りゴマ、葛をミキサーで葛粉が溶けるまで混ぜ、さらさらの状態にする。
[2]空気を含ませながら混ぜる
鍋に1を入れて中火にかけ、空気を含ませるようにして15分、木ベラで混ぜる。
[3]塩を加えてさらに混ぜる
途中、とろみがでてきたら、塩を加え、5分程手早く混ぜる。木ベラにもったりと絡みつく硬さになったら火を止める。【POINT】液全体に空気を含ませつつ、焦げ付かないように手早く混ぜる。
[4]茶巾絞りにする
3を熱いままラップにくるみ、茶巾絞りにし、ゴム止めする。【POINT】絞り口にらせん状に線が入るように絞っていく。
[5]冷やす
氷水の中に胡麻豆富全体がすっぽりと収まるように入れて、しっかり冷やす。冷えたら冷蔵庫で3時間冷やす。
[6]仕上げ
皿に少量の割り醤油をひき、5をのせ、おろしワサビを添える
口の中でとろける柔らかさ。牛乳とゴマだけの自然な甘味が酒の味を引き立てる。
東京・中目黒「中目黒 ないとう」の店舗情報
◎中目黒 ないとう
東京都目黒区上目黒3-5-20 中目黒高架下柱番号71番
☎ 03-6451-2623
18:00~23:00( 21:00LO、材料の都合で早仕舞い有り)
不定休
東京メトロ日比谷線、東急東横線中目黒駅より徒歩5分
https://naitou.tokyo/
※営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。
(雑誌『料理通信』2017年3月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)
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