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JOURNAL / 世界の食トレンド

タイの最新FOOD事情 vol.1

アジア最大級の見本市で見つけた注目食材とは?

2016.07.15

タイの最新FOOD事情

vol.1 アジア最大級の見本市で見つけた注目食材とは?

Jul. 15, 2016



2016年5月25日~27日、タイ・バンコクのインパクトエグジビションセンターにて、「THAIFEX - World of Food ASIA 2016」(主催:タイ国商務省国際貿易振興局、タイ商工会議所、ケルンメッセ)が行われた。



THAIFEXはアジア最大級の国際総合食品見本市であり、今回で13回めを迎える今年は、8万㎡と東京ドームのグランド部分の約6個分の敷地にはなんと40カ国から1919社が出展。海外からもタイ市場への進出を目指す企業・団体、バイヤーなどが数多く訪れた。 来場者は4万人(前年比約20%増)を超え、活況を極めた。



「HEALTHY BOY」ブランドで人気のタイの調味料メーカー、ヤン・ウォー・ユン・コーポレーション・グループなどをはじめとして、現在200カ国以上に食品を輸出しているというタイの食品・食材企業および団体が積極的にプレゼンテーション。



タイでもコーヒーのノイズは高まっており、場内では、アジアのチャンピオンシップを集めたデモンストレーションイベント、「セレブリティ・コーヒーバー」が開催された。日本からは、元・丸山珈琲の井崎バリスタが出演、腕をふるった。


THAIFEXの数多あるブースの中から、タイの注目食材2品についてお話を伺うことができた。

① ライスベリー

「ライス・アンド・ソイビーン オーガニックフェアトレード」のカチョンラット・スコラートさん。

タイで「スーパーフード」と呼ばれるライスベリー。

「ライスベリー」について話を聞いたのは、「ライス・アンド・ソイビーン オーガニックフェアトレード」のカチョンラット・スコラートさん。ライスベリーは、昨今の世界的な健康・安全・安心といった意識の高まりを受けて5~6年ほど前からタイで話題、「スーパーフード」とも呼ばれるお米だ。ジャスミンライスと黒米を掛け合わせてつくられた品種で、「アントシヤニン」を多く含み、がんをはじめ病気の抑制に役立つとされている。現状は、健康によいお米として、タイ国内においては健康意識が高い層やお年寄りなどに食べられているに留まっているが、世界的に認知が高まりつつあり、欧米には輸出が既に始まっているそうだ。タイのライスベリー農家は現在こそ全体の約5%にすぎないが、今後、さらにその健康機能性が認められるにつれ増えていくと予想される。カチョンラット・スコラートさんは「ライスベリーは香り高く、おいしい。食物繊維を多く含み、食べ過ぎないのでダイエット効果もあり、近い将来、日本の人にも食べてもらいたい」と語った。

② バナメイエビ

タイユニオングループのピーラサック・ブンミーチョトさん。

続いて、「バナメイエビ」について話を聞いたのはタイの水産加工大手、タイユニオングループのピーラサック・ブンミーチョトさんだ。今や、世界共通のメニューとなった「寿司」になくてはならないネタ、エビ。そんな寿司店の需要を支えているのが、タイ産のバナメイエビなのだ。


「タイのバナメイエビは低価格・ハイクオリティ。世界的な寿司ブームも手伝い、世界各国から問い合わせが相次いでいる。きょうもオーストラリアの回転寿司店と商談がまとまりそうだよ」
タイ政府も関わるかたちで、このタイユニオングループのバナメイエビ養殖事業は、高い安全への意識のもと厳しい管理基準が設けられ、アジア随一の安全性・質を誇るといわれている。今、中国に年間80万トン、台湾に60万トンが輸出されており、低価格にかかわらず安全な養殖体制にもとづく安定したクオリティが、他国のバナメイエビよりも支持されている理由と言っていいだろう。ブンミーチョトさんは、「タイのバナメイエビは、。気になるトレーサビリティもクリアしている。日本の皆さまにもっとタイのバナメイエビを楽しんでもらいたい」と語った。

加工品にされ、輸出されることも多い。日本のスーパーマーケット等で見かける有頭エビフライなども手掛けているという。(冷凍有頭エビフライの製造は手作業で行われているとのこと)

全世界的に広がる「ヘルシー」、「安心・安全」というキーワードを背景にした数々のプレゼンテーションは、世界の食関連バイヤーたちに大きな発見をもたらしたようだった。




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