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RECIPE

野菜と雑穀の旨味。ビールに合うヴィーガンつまみ「ベジ麻婆豆腐」

プラントベースの始め方27

2023.02.06

ベジ麻婆豆腐

text by Kaori Funai / photographs by Daisuke Okamori

連載:プラントベースの始め方

健康や環境への配慮から、植物性の食材を主体とする“プラントベース(Plant Based)”な食事法が注目されています。肉や魚や乳製品に頼らずとも「おいしい」料理を作る知恵は、世界各地に存在します。身近なレシピからおいしくプラントベースを始めるヒントを紹介します。

教えてくれたシェフ
大阪・谷町「中国食堂261」中尾信次さん

中尾信次さん

中国料理の老舗「青冥(ちんみん)」で30年勤務後、体に優しい中国料理をテーマにオープン。野菜の有機栽培も手がける。最近は、大阪近郊の食の地域自治とオーガニックの流通拠点(ハブ)をつくるために、小さな青果店が集結して野菜を販売する「オーガニック連売所」に通い、野菜を仕入れる。


食感のリズムで、ヴィーガンをストレスなく楽しむ

昼夜ともにヴィーガン対応もする中尾シェフ。食事制限がある常連客の期待に応えるうち「肉の代用品を使わなくてもいける」という境地に。「野菜のほうが断然味わいに深みが出る。あとは食感ですね」

ベジ麻婆豆腐なら、野菜味噌を炒める際、「葉ものの他、様々な野菜を入れるほどに、味わいに膨らみが出ます」。そこに雑穀を加えれば、心地よい歯応えも。香り高い山椒オイルで和えた春野菜は、浅いかなと感じる茹で加減で食感にリズムを生む。

一方、野菜だけでは出しにくい弾力作りに一役買っているのが、米粉と米ぬかだ。水餃子に用いるキャベツや、野菜団子に使う小松菜は米粉をまぶして蒸すと、肉に通じる粘りが出る。さらに野菜団子の具には米ぬかを混ぜることで、揚げ上がりはホクホク。身詰まりもよく独特の香ばしさが出るからビールが進む。食感の工夫こそ、ヴィーガンをストレスなく楽しむ大きな秘訣かも。

<おすすめプラントベース食材>

米粉が野菜の水分を吸収し、独特の粘りを生む。肉に頼らなくとも食べ応え十分。愛媛・西条「土と暮らす」の自然栽培米100%の米粉を愛用する。

米粉が野菜の水分を吸収し、独特の粘りを生む。肉に頼らなくとも食べ応え十分。愛媛・西条「土と暮らす」の自然栽培米100%の米粉を愛用する。

<植物性食材だけでおいしくなるコツ>


1.醤油や味噌はしっかり炒めて香りを出す
2.複数の野菜と雑穀を加えて、味に複雑味をつくる
3.仕上げにネギやニラなどのフレッシュな香りをプラス


「ベジ麻婆豆腐」の作り方

[材 料](3人分)

木綿豆腐(1cm強のさいの目切り)・・・1丁
菜種油・・・20ml

A
ニンニク(みじん切り)・・・1片
ショウガ(みじん切り)・・・1片
唐辛子(みじん切り)・・・1本
熟成味噌(甜麺醤でも可) ・・・小さじ1
砂糖・・・小さじ2

B(野菜はざく切り)
ネギ・・・3本
ニラ・・・1/2束
スナップエンドウ(茹でる)、小松菜・・・各適量
雑穀(蒸すか茹でておく)・・・大さじ2

濃口醤油・・・20ml
塩、水溶き片栗粉、四川山椒(花椒・パウダー)・・・各適量

[1]Aを炒めて、香りを出す

炒めて、香りを出す

中華鍋に菜種油を入れ弱火にかけ、すぐにAを加えて炒める。香りが立ったら醤油を鍋肌に回し入れて香りを出し炒める。
POINT: 醤油を回し入れたら、やや煙が立つくらい炒め、しっかり香りを出す。

[2]B、水を加えて炒め合わせる

水を加えて炒め合わせる

Bを加えて、野菜がしんなりするまで炒めたら、水200mlを加えてしばらく沸騰させる。塩で味を調える。
POINT:野菜は葉物を中心に、雑穀は入手可能なもので。種類が多いと味に深みが出る。

[3]水溶き片栗粉でとろみを付ける

水溶き片栗粉でとろみを付ける

木綿豆腐を加えてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみを付ける。たっぷりの刻んだネギとニラ(分量外)を加え、器に盛り四川山椒を散らす。
POINT:刻んだネギとニラをたっぷり混ぜ合わせ、フレッシュな香りをプラス。

[4]盛り付け

盛り付けて完成。刻み野菜をたっぷり入れた味噌はじわっと辛く、旨味も深い。四川山椒のしびれる辛さがビールを欲し、雑穀の食感で満足感もしっかり。

盛り付けて完成。刻み野菜をたっぷり入れた味噌はじわっと辛く、旨味も深い。四川山椒のしびれる辛さがビールを欲し、雑穀の食感で満足感もしっかり。



◎中国食堂261
大阪府大阪市中央区上本町西2-6-1
☎06-6762-0261
12:00~、13:20~(2部制)、18:00~21:00
月曜~水曜休
大阪市営地下鉄谷町六丁目駅より徒歩3分

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため要請に合わせて営業時間が変わることがあります。

(雑誌『料理通信』2019年7月号掲載)

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