「技術・文化を伝承する」
ラ・ベカス 渋谷圭紀 Yoshinori Shibuya
2015.05.14
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店名
ラ・ベカス/La Bécasse
1990.10.4 open ラ・ベカスのページを見る
1961年12月22日生 / 大阪府出身 / A型
80年に渡仏。「ポール・ボキューズ」(1年)、「ホテル クリヨン」(1年)、「ムーラン・ドゥ・ムージャン」(8カ月)、「ジャマン」(2年)、「アラン・シャペル」(3年)など各地でフランス料理を学び帰国。90年、大阪・四ツ橋にて自店をオープン。05年4月に現店へ移転。
FAVORITE
音楽 : シャーデー、エイミー・ワインハウスなど女性ボーカル
本 : 『タンタン』シリーズ(全巻の日本語・仏語版をコレクション)
映画 : 小津安二郎作品、『ゴッドファーザー』『スター・ウォーズ』『インディー・ジョーンズ』
MY LEGEND
ジョエル・ロブション
1945年生まれ。15歳で厨房に入り、23歳から5年間はMOFをはじめとする様々な料理コンクールで賞を獲得。81年「ジャマン」を開店、82年には一ツ星、83年二ツ星、84年三ツ星という異例のスピードで頂点に上り詰めた。「ラトリエ・ド・ジョエル・ロブション」オープンを皮切りに新しいコンセプトで全世界規模に展開。世界で最も星の数の多い料理人として、現在フランス料理界に君臨している。著書に『ジョエル・ロブションのすべて』(武田ランダムハウスジャパン)など。
アラン・シャペル(故人)
「アラン・シャペル(仏・リヨン近郊ミヨネー)」元シェフ。1937年生まれ。ミシュラン一ツ星レストラン「ラ・メール・シャルル」を父から受け継ぎ、69年に二ツ星、73年には三ツ星を獲得。アラン・デュカスなど多くのシェフが彼の下で修業を重ねた。
ポール・ボキューズ
「ポール・ボキューズ(仏・リヨン近郊)」シェフ。1926年生まれ。42年、リヨンの「レストラン・ド・ラ・ソワリー」で見習いを始め、59年、現店を受け継ぎ、61年に国家最優秀職人章を取得。95年にミシュランの三ツ星を獲得し、以降2015年まで維持。著書に『ボキューズのフランス料理入門』(柴田書店)。
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フォワグラを包んだ舌ビラメのポーピェット
夜の12600円コースの一品
舌平目でフォワグラを巻き、オーブンで焼いてから甲殻類のソースを含ませ、ナスのコンポートにのせる。巻くことで舌平目が柔らかなボリューム感を醸し、フォワグラやソースの旨味をどっしりと受けとめる。
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アスぺージュ・ブランシュ・ファルシ アジのエスカベシュ
夜の12600円コースの一品
試作嫌いのシェフゆえ「今日初めて作った」という一品。ホワイトアスパラガスを縦に割り、ミンチ状にしたアジのエスカベッシュとキンカンのスライス、タデを挟んで黒ゴマのソースでまとめる。エスカベッシュの身の詰まった旨味が見事。
必要とされるためのキーワード
完成形を作らない。
完成形を作らない。
- 「この店が『ラ・ベカス』である条件は、僕がいることだと思っています」と渋谷圭紀シェフ。「シェフは店に常に居るべき、と言いたいわけじゃない。不在でも回る店はある。ただ僕自身は、厨房からは常に離れられない」。そんな一徹者のシェフの、オープン以来のスペシャリテの一つが舌平目。「ルールは“舌ビラメで巻くこと”だけ」とその形は千変万化、22年前から、ナメコのコンカッセのプロヴァンス風を敷いたり、リゾットを巻いたりと斬新な工夫が凝らされてきた。この店の定番は、背後にそんな歴史を連ねる料理ばかりだ。「ここのオマールのサラダを50 種類は食べた」と胸を張る常連客もいるという。
渋谷圭紀という不動の「幹」はあっても完成形はない。シェフのインスピレーションが「枝葉」となって折々に繁るゆえ、時代にもコミットし、皿は現在形であり続ける。「歳をとったら、もっとシンプルに僕のスタイルを維持したい。席数は減らして、好きな時に休むヘンな店になるでしょうね」。苦笑いの真顔で、シェフは言う。
text by Takuo Kawamiya / photographs by Kouichi Higashiya
ラ・ベカス 大阪府/淀屋橋 ラ・ベカスのページを見る
住所 | 大阪府大阪市中央区平野町3-3-9 陽木ビル1F |
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電話番号 | 06-4707-0070 |
営業時間 | 12:00〜14:00 LO 18:00〜21:30 LO |
定休日 | 日曜、月1回月曜休 |
カード | 可 |
座席 | 全12席 |
タバコ | 禁煙(バーは可) |
アクセス | 地下鉄御堂筋線淀屋橋駅より徒歩3分 |
URL | http://www.labecasse1990.com |
備考 | 昼8640円 夜19440円 (税込・サ別) 【WINE】 グラス白赤各3種1470円~、ボトル12000円~13000円程度が中心 |
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