ひまわり油かすのアップサイクル商品が、全米のシリアル市場で急成長中!
America [Minneapolis]
2024.12.16
text by Kuniko Yasutake / photographs by Kuniko Yasutake
(写真)ひまわり油の搾りかすから生まれた「サンフラワー・シリアル」。くどさやクセがない「メープル・シーソルト」の甘味は、メープルシロップとメープルシュガー、果物のデーツから。“KEEP IT REAL (天然素材だけ)”という商品のキャッチフレーズの通り、雑味のないストレートな味わいが好評だ。朝食のみならず、午後のおやつにも。
搾油後のひまわりの種(油かす)を使用したセブン・サンデーズ(Seven Sundays)社の「サンフラワー・シリアル(Sunflower Cereal)」は、現代消費者の多様なニーズにタイムリーに応えるアップサイクル食品の新顔だ。中西部ミネソタ州ミネアポリスを拠点に小バッチ生産を開始してから3年余りで、2024年現在、全米のコストコに登場するまで人気を博している。
従来、家畜のエサや農作物の肥やしとして利用されるひまわり油かすを、タンパク質と繊維質が豊富な“食材”として採用。タピオカの原料となるキャッサバと共に主原料としており、穀物・グルテンフリーなのだ。ひまわり油かすの栄養価、食品としての価値について近年様々な研究論文が発表されてきたが、シリアルとして商品化された例は全米初。
フレーバーは、メープルシロップの香りが優しい「メープル・シーソルト」、ダークなカカオ感の「リアル・ココア」、イチゴとブルーベリーにレモンがアクセントの「リアル・ベリー」の3種類。各々の原材料はたったの8つと非常にシンプルなのが特徴だ。どれもプラントベースの上、保存料や着色料等の添加物、精製された糖分を一切含まない。商品名通りの素朴な風味、ほのかな甘さ、アーモンドやピーナッツとはちょっと違った香ばしさのバランスが食欲をそそる。
また日本人にとっては“ぼうろ”を想起させるぽってりした形状は、厚さ1cm、直径2cm強と存在感があり、ミルクたっぷりのボウルの中でもポリサク食感をキープ。噛み応えと咀嚼の楽しさもあってか、「他のシリアルに比べて食後の満足度が高い」や「朝食以外でも、ひと口甘いものが欲しい時そのまま楽しめて手軽」というファンの声が少なくない。
大手メーカーによる朝食シリアルの売上が過去30年に渡って減少傾向にある米国。一方、セブン・サンデーズのような中小ブランド、特に主原料・添加物共にグルテンフリーのユニークな商品に対する需要と供給は、2007年より右肩上がりだ。全米/ローカルチェーンを問わず、スーパーマーケットでグルテンフリー食品を集めた棚を見つけることも珍しくなくなってきた。アレルギーや病気のため、またはダイエット目的で食事制限が必要な消費者にとっては、手に取る加工食品の選択肢が確実に増えている。
◎Seven Sundays
Sunflower Cereal 各フレーバー 9ドル(参考価格)/8オンス(約228g)
https://www.sevensundays.com/
*1ドル=149円(2024年12月時点)