「レストランをスリム化する」
アノニム 加古拓央 Takuo Kako
2015.05.19
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店名
アノニム/anonyme
2011.1.13 open アノニムのページを見る
1974年9月3日生 / 兵庫県出身 / A型
95年、あべの辻調理師専門学校卒業。96 年から神戸のフレンチ、イタリアンなど数店で修業(1年半)。97年、渡仏。ランド県「エレーヌ・ダローズ」(1年)で働き98年、帰国。神戸「グロ・ムッシュ」(1年半)の後、99年に再び渡仏。バール県「ル・マデュ・ラングスティエール」(8カ月)にて経験を積む。帰国後、00年に自店「レストロ・エスパス・トランキル」を開店。10年に閉店し、11年「アノニム」開店。
FAVORITE
音楽 : クイーン『ショーマストゴーオン』
本 : 『アルケミスト』(パウロ・コエーリョ著)
映画 : 『レミーのおいしいレストラン』
MY LEGEND
荘司索・紀子
「コム・シノワ(兵庫・三宮)」シェフ&マダム。83年、神戸・南京町に「ビストロ コム・シノワ」をオープン。パティスリー、ベーカリーなどをオープンし、2003年「レストラン コム・シノワ The Ocean」を開店。著書に『ケータリング・ブック』(旭屋出版)。
イナキ・アイズピタルト
「ル・シャトーブリアン(パリ)」シェフ。1972年生まれ、バスク出身。独学で料理の道へ。「カフェ・デ・デリス」などを経て、「ラ・ファミーユ」、「トランスヴェルサル」のシェフを経験し、現店で初のオーナーに。
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ホワイトアスパラガスのソテー、サッと炒めたハリイカ、ヤシ、コロナータ、温度卵
昼夜のコースから
ホワイトアスパラガスは長時間調理。1時間かけてじっくりバターを沁み込ませ、ジューシーに仕上げる。サッと炒めてむっちりしたハリイカ、コリッとしたヤシの芯との食感の対比が楽しめる。温度卵は64℃で1時間超、加熱することで独特のねっとり感を出す。散らした百合根の花びらから柚子が香り立つ。
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弓削牧場のフロマージュ・フレとカルピス、パッションフルーツ、グリーンサラダ
昼夜のコースの一品
デザートとしてグリーンサラダを出し、客に驚きを与える一品。地元産のフロマージュ・フレとカルピスに、兵庫県産パッションフルーツの強い酸味を合わせ、香りの強いベビーリーフで爽やかに締める。交流のあるフランス人シェフ、イナキ氏の料理にヒントを得て。
必要とされるためのキーワード
「自由時間」を確保する。
「自由時間」を確保する。
- 「アノニム」=“匿名”。妻の営む惣菜店「ポポット」の中にひっそり扉があるだけで、知らなければ入店不可能。カウンター8席、昼夜ともおまかせコースのみ、ワインリストもなし。店主・加古拓央シェフがすべて1人で賄う。人気絶頂の「エスパス・トランキル」を閉めて挑んだ新境地だ。
「自分だけのフレンチを追求してみたかったんです」。スタッフを雇わないことでブレのない料理が作れる。完全予約制、フリ客が入らない造りにすることで、食べたい客に確実に届けられる。料理を作る緊張感をしっかりキープするために営業時間も短くした。「料理やドリンクの説明や相談等で会話も増え、お客さんとの距離も縮まりました」とシェフ。
そんな中、さまざまな“冒険”に挑んでいる。バスク風煮込みやタラの真子のコンフィを乾燥してミキサーで粉末にし料理にアレンジ。また、デセールにグリーンサラダを供したり。削ぐことで確保した自由で、シェフのクリエイティビティは伸びやかに広がる。
text by Yoko Soda / photographs by Sadaho Naito
アノニム 兵庫県/元町
住所 | 兵庫県神戸市中央区下山手通4-13-3 |
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電話番号 | 078-778-0965(完全予約制) |
営業時間 | 12:15〜13:15 LO 18:00〜20:00 LO |
定休日 | 日曜、月曜の昼休 |
カード | 可 |
座席 | 全8席(すべてカウンター席) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | JR神戸線、阪神本線元町駅より徒歩10分 |
URL | http://kobeanony.exblog.jp |
備考 | 昼4550円 夜7150円 (税込・サ別) 【WINE】 グラス 白赤各2種735円~、ボトル 4200円~ |
- 「2011年05月「最小単位=1人or夫婦」でつくる強い店」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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