「新しいスタイルを提示する」
イーワンスイ 南 茂樹 Shigeki Minami
2014.10.01
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店名
中国菜 一碗水/(イーワンスイ)
2002.5.9 open 一碗水のページを見る
1970年10月18日生 / 京都府出身 / AB型
89年、ワーキングホリデーで滞在したカナダ・モントリオールで中国料理の魅力に目覚め、帰国後に修業開始。97年より東京・吉祥寺「知味 竹爐山房」にて山本 豊氏に師事し(3年半)、02年、現店をオープン。
FAVORITE
音楽 : ノンジャンル。自然に歌詞を口ずさみたくなる音楽。
本 : 『中国食文化事典』など料理文献を折に触れ読み返す。最近興味深く読んだのは『やめないよ』(三浦和良著)
映画 : なし
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イシモチの香椿巻き揚げ
夜6000円のコースの一品
香椿(シャンチュン)は、日本にも自生するが食用の習慣がない香草。柔らかなイシモチの身で巻き、卵白と片栗粉の衣を纏わせて揚げる。「台湾人のおばちゃんがフラリと香椿を売りに来て、気に入ったので使ってるんです」。
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ナズナと空豆、筍、中国餅の炒め煮
夜6000円のコースの一品
七草粥以外では馴染みが薄いナズナだが、上海では常食の野菜。フレッシュなそれを茹でて刻み、春野菜と炒め煮にすることで懐かしい草の風味を立ちのぼらせる。うるち米を使う中国餅のホクホクの歯応えもいい。
必要とされるためのキーワード
古典を更新する。
古典を更新する。
- 「おいしいという非日常が、日常的になりすぎていることに違和感を覚えるんです」と南 茂樹さんは言う。中国の古き市井の食に思いを馳せる彼の料理は、中華を食べ慣れた人にとってこそ新しい。「『竹爐山房』で教わった古典を、常食という方向に深めていくことが、僕には自然な流れでした」。
「中国の何料理?」と尋ねる人もいる。しかし、「その固定観念の壁を壊したところにある根源、古来の食材や調理に滲む中国の文化、それを伝えるのが僕の役割だろうと」。震災を経て、「ただおいしければいい」という飲食の風潮に疑問を深め、街なかからの脱出も考えていると語る表情は真剣だ。
自らの料理の5割以上は古典からなると言う南さん。だがその皿には、古典のレシピをなぞるにとどまらず、文献の欠落を埋め、逞しい想像力で美味を求める姿勢が際立つ。「今凝ってるのが(ポウ)。とろ火でスープをとる古い技法ですが、食材や生薬の組み合わせが無限にあって奥深い」。かくして、古典は常に更新されていく。
text by Takuo Kawamiya / photographs by Kazunori Ogoshi
中国菜 一碗水 大阪府/堺筋本町 一碗水のページを見る
住所 | 大阪府大阪市中央区安土町1-4-5 大阪屋本町ビル 1-7号 |
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電話番号 | 06-6263-5190 |
営業時間 | 12:00~売り切れ次第終了 18:00~、20:15~ (土曜、日曜、祝日12:00スタートのランチコースは要予約。昼はコース以外基本予約不可、夜は1カ月先まで予約可) |
定休日 | 水曜、第2・4木曜休 |
カード | 不可 |
座席 | 全12席(カウンターのみ) |
タバコ | 禁煙 |
アクセス | 地下鉄各線堺筋本町駅2番・12番出口より徒歩4分 |
URL | - |
備考 | 昼1000円 中国粥ランチ1000円(月曜、火曜、金曜のみ) 夜コース6500円 (税込) 紹興酒デキャンタ1100円~ |
- 「2007年05月しなやかな現代の職人たち」 掲載
- 「2012年05月100人のシェフが考える「必要とされる店」になるために」 掲載
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