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RECIPE

思い立ったとき、1人分から作れる「水餃子」

レスキューレシピ【小麦粉編】

2025.04.07

思い立ったとき、1人分から作れる「水餃子」

photographs by Tsunenori Yamashita

連載:レスキューレシピ

日本の食品ロス量は年間472万トン*と言われています。生産者が丹精込めて作った食材を無駄にしないための活用レシピをシェフに教わる連載「レスキューレシピ」。今月のテーマは【小麦粉】。今回は、思い立った時に少量から気軽に作れる「水餃子」の作り方を教わります。

*農林水産省「食品ロス量(令和4年度)」(前年度比-51万トン)

目次






教えてくれた人:東京・代々木上原「按田餃子」按田優子さん

「按田餃子」按田優子さん

「按田餃子」店主、料理家、菓子・保存食研究家。「按田餃子」を東京・代々木上原で2店舗と製造直売所を三浦半島で営む。食品加工専門家としてJICAのプロジェクトに参加し、ペルーのアマゾンを6回訪問。カメラマン・鈴木陽介氏らと2012年現店開店。著書に『食べつなぐレシピ』(家の光協会)、『たすかる料理』(リトルモア)、『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)などがある。


今あるもので、目分量で作る

“皮からつくる水餃子”なんて聞いたら、ちょっと身構えてしまう。何も予定のない休日に、人が集まる時に・・・そんな「いつか」はなかなか来ない。

しかし按田さんの水餃子は、食べたくなったら、すぐ作れる。粉も水分も目分量。お茶碗の中でくるくる混ぜて、ちゃちゃっと捏ねて、麺棒なんて使っても使わなくても伸ばせればOK。具材も「これじゃなきゃ」というルールはなくて、今あるものを包んで茹でる。おにぎりでも作るくらいな肩の力の抜けっぷりなのだ。

どこかのんびりとしたアジアの空気が流れる按田さんのキッチンに、特別なものはない。「これがないと料理が作れないとなるのが窮屈で。しびれるように旨いごちそうじゃなくていい。日々の生活リズムに組み込まれた食事ができれば」

食材も道具も少なくても、十分楽しくおいしく生きられる。按田さんの水餃子は、そんな当たり前のことを思い出させてくれる。


「水餃子」材料と作り方

[材料](約15個分)
<生地>
小麦粉(その時ある粉で)・・・適量
水・・・粉の5~6割

<餡>
豚挽き肉・・・100g
白菜(せん切り)・・・150g
ショウガ (みじん切り)・・・小さじ1
魚醤・・・小さじ2
塩 (塩もみ用)・・・適量

[作り方]
[1]粉と水を混ぜる

[1]粉と水を混ぜる

茶碗に小麦粉を入れて水を回し入れ箸でぐるぐる混ぜる。

[2]捏ねる

[2]捏ねる

粉が水分を吸って箸で混ぜるのが重たくなったら、親指の付け根で押し出すうように捏ねる。

[3]馴染ませる

[3]馴染ませる

ひとまとまりになったら茶碗を裏返して2~3分置き、水分を行き渡らせる。伸ばしやすくなる。

[4]伸ばす

[4]伸ばす

生地を小さくちぎって打ち粉をし、丸めて掌で押しつぶしてから麺棒で伸ばす。

[5]餡をつくる

[5]餡をつくる

餡の作り方。白菜は塩もみしておく。残りの材料を混ぜ合わせ、水気を絞った白菜を加え、 粘りが出るまで よくかき混ぜる。

[6]包む

[6]包む

餡を皮にのせたら、餡がはみ出さないよう皮を少しずつ伸ばしながら半分に折り、しっかり綴じ合わせる。

[7]形を整える

[7]形を整える

半月の先端に 水をつけ、 両端をくるりと 丸めて 重ね合わせる。

[8]茹でる

[8]茹でる

沸騰した湯に入れて茹でる。浮き上がってきたらさらに1分程度茹でて引き上げる。

水餃子できあがり

東京・代々木上原「按田餃子」の店舗情報


按田餃子
東京都渋谷区西原3-21-2
☎03-6407-8813
11:00~21:30LO
定休日なし
東京メトロ小田急線代々木上原駅より徒歩3分
Instagram:@andagyoza

(雑誌『料理通信』2018年12月号掲載/本文はウェブサイト用に一部調整しています)

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