Norway [Oslo]
北欧コーヒーの第一人者が食品ロスに取り組む
2020.01.06
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北欧スペシャルティコーヒー業界の先駆者ティム・ウェンデルボー氏は、気候変動が業界にもたらす影響に関心が高く、環境改善に熱心に取り組む人として知られる。
彼の店では、他店では「売らないであろう」ものが並ぶ。それはテスト用に焙煎された“店の基準を満たさなかった”コーヒー豆だ。「焙煎が浅すぎたり、深すぎたり、テスト用、技術的なミスで焙煎が上手く行かなかったなどの豆ですが、スーパーで販売される豆よりも高品質で、おいしく、焼きたてです。捨てたくなかった」とティム。2018年は1300キロの豆を安価に販売した。
北欧コーヒー事情をよく知る「フグレン トウキョウ」の小島賢治氏は、「コーヒーのおいしさは生豆の品質が大きく左右するため、質の高い豆であれば多少焙煎が狙い通りでなくてもまずいはずはなく、混ぜて売る店も少なくないと思います。彼の凄いところは正直に開示し、理由を述べて行動すること。食品ロスに対する彼の行動に私も勇気をもらった」と、自店でもテスト用豆の販売を始めている。
(『料理通信』2019年12月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Tim Wendelboe
通常商品は1袋250g、160ノルウェークローネ~。
テスト用豆は1kg、299ノルウェークローネ。
豆はシングルオリジンのみ、産地は明記されず、袋ごとにお楽しみとなる。
www.timwendelboe.no
text & photograph by Asaki Abumi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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