Norway [Oslo]
未来は野菜中心? 衝撃的な環境と食のレポート
2019.06.05
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2050年になっても、環境に優しく100億人が健康的な生活を送るためには、現代の食生活を見直す必要がある。肉・砂糖・乳製品の消費を抑え、果物・野菜・穀物は今より2倍の量に。肉食中心のノルウェーでは、魚は週1回、肉は月2回に――
2019年1月、EAT財団が発表した研究者37人との合同レポートは、現地で大きく報道された。北欧ホテル王の妻であるグンヒル・ストルダーレン氏が指揮する同財団は、2016年に発足。持続可能な食生活を提案し、ノルウェーとスウェーデンで注目を集める。夫妻の人脈や財力もあり、世界中の政治家・権力者・研究者・産業界が集う会議を毎年ストックホルムで開催している。
スーパーでは大量のお菓子が売られ、肉食を好む人は未だに多い。野菜中心の生活を推奨しても食肉業界や肉好きの反発も強い。しかし「今から食生活を見直さなければならないほど、環境も健康も深刻な事態に陥っている」と財団。閣僚クラスの政治家や王室関係者を集め、今後の食政策を動かしかねないEAT財団の影響力は未知数だ。
(『料理通信』2019年5月号/「ワールドトピックス」より)
◎EAT
EAT財団発表の1日あたりの理想摂取量例:全粒穀物
(パンや米)232g、野菜350g、果物200g、乳製品250g、肉43g
(牛肉・羊肉・豚肉14g、鶏肉・その他鳥肉29g)
魚28g、ナッツ50g、砂糖31g
https://eatforum.org/
text by Asaki Abumi
photograph by EAT
JOURNAL / 世界の食トレンド
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