Peru[Lima]
ゴミのない世界へ動き始めたリマのシェフたち
2019.10.15
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廃棄食糧の再資源化を専門とする「シンバ」。2016年に設立されたこの団体の活動に、リマのトップシェフたちがいち早く反応している。シンバでは契約レストランから食品残渣を回収し、オーガニックとそれ以外に分別。前者は自社工場で家畜飼料に加工し提携の養豚場に提供、後者は正規の食品リサイクル業者に処理を依頼している。
ただ回収するだけではなく、残渣の仕分け指導や有機性廃棄物についての教育を実施するなど、飲食業界の意識改革に取り組んでいるのが特徴だ。シンバと共に持続可能な食のリサイクルを目指すのは、「セントラル」や「マイド」などペルーを代表するレストラン。現在シンバでは年間約840トンの有機性廃棄物を処理。これは約36000本分の植林活動と同等の効果があるという。
自然環境を守り、廃棄食糧問題に立ち向かってこそ、真のガストロノミーといえるのでは。その名に込められた“ゴミのない(シン・バスラ)世界”を目指す、シンバとリマのシェフたちの取り組みは始まったばかりだ。
(『料理通信』2019年9月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Sinba
http://sinba.pe
text by Keiko Harada
JOURNAL / 世界の食トレンド
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