Singapore [Singapore]
「食品廃棄」から隣人愛が届ける「心の食」へ
2017.02.06
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淡路島ほどの国土に人口550万人が暮らす都市国家、シンガポール。この20年を振り返っても、急速な食の多様化、国際化が進んだことを実感する。そんな同国で、溢れるような豊かさの裏にある食品廃棄問題と地域社会の在り方に目を向け、課題取り組む非営利組織「Food from the Heart」の活動が着実な広がりを見せている。
協力店から売れ残りのパンを譲り受け、低所得世帯や福祉施設 へ届ける「ブレッドプログラム」は、設立当初、37のベーカリーと120人のボランティアでスタート。13年を経た現在、高級ホテルや大手チェーン「Four Leaves」をはじめとする115社以上が参加、1700人のボランティアが関わるまでに成長した。
「毎月28000kgのパンを集め、15000人に届けています。地道な活動が多くの市民に認められ、企業からも、地域社会の一端を担おうとする意識の高まりを感じます」と語る広報担当のエリンさん。クリスマスの季節、「心の食」で繋がる隣人愛の精神について、今一度考えてみたい。
(『料理通信』2017年1月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Food from the Heart
130 Joo Seng Road #03-01, Singapore 368357
☎ +65‐6280‐4483
https://foodheart.org
text by Eri Sasaki
photograph by Food from the Heart
JOURNAL / 世界の食トレンド
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