Spain [Jiménez de Jamuz]
洞窟に作られた“肉の殿堂”
2020.01.14
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昨今、人里離れた場所で成功を収めるレストランは少なくないが、「エルカプリチョ」もしかり。マドリードから北西に300㎞強、人口たった817人の村にある。
傾斜を利用して掘られた奇妙な形の丘は、古くからワインセラーとして利用され、30年かけて奥へ奥へと拡張してきた。洞窟なので、窓はない。薄暗い室内は肉の香りに満たされて、否が応でも期待が高まる。先代がワインを造り始め、息子のホセ・ゴードンは牛に魅せられて、今や「世界最高の」という形容詞でガーディアン紙やタイム紙を飾るまでに成長した。
ホセがこだわるのは成熟した雄牛。5歳以上で時には18歳にもなる雄牛を扱う。有名なガリシア種はもちろん、欧州で最も古いと言われるサジャゲサ種、イベリア半島最大級のミノオタ種など希少種を知り尽くしているのもシェフの強み。
炭火焼はもちろん、サシが美しく入ったカルパッチョや、胡椒が効いたシンプルなタルタルなど、肉の味だけに集中したい人にはたまらない品揃え。国内外の食通たちから注目を集めている。
(『料理通信』2019年12月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Bodega El Capricho
C/Paraje de la Vega, s/n, Jiménez de Jamuz, 24787, Castilla y Leon
☎+34-987-664-224
メニュデグスタシオン(12品、ワイン付き) 155ユーロ~
www.bodegaelcapricho.com
text by Yuki Kobayashi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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