America[CapeCod]
ポップアップで堪能する米国版地産地消の極み
2016.10.11
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この夏、ケープコッド南部の小さな町にある農園で、2カ月限定のポップアップ・レストラン「ザ・バッファロー・ジャンプ」が営業中だ。NYやシカゴ、ボストンの有名店で腕を上げたシェフ夫妻が、近隣農家から調達する食材と、自宅の裏庭に自生する野草や浜で自ら捕獲した魚介類を、5~7品目の日替わりコース(70$)で提供する。
コンセプトは、地域本来の住民=ネイティブ・アメリカンの食卓に思いを馳せ、土地柄と時間の流れを料理で感じてもらうこと。北米原住民の三大作物である豆、スクワッシュ(カボチャの類)、トウモロコシを中心に、先人と同じように薪火を使ったグリルやスモーク、また、蒸し煮にしたりする。前菜は、新鮮な二枚貝に軽く火を入れて、グリーントマトのマリネを和え、コリアンダーや、マリーゴールドといった季節の花を添えたひと皿。
酸味と旨味のバランスと、温もりを残した微妙な温度加減に、シェフの技術とセンスの良さが垣間見える。期間限定の試みながら、地元や全米メディアからの注目を集めている。
(『料理通信』2016年9月号/「ワールドトピックス」より)
◎ The Buffalo Jump
277 Hatchville Rd., East Falmouth, MA
www.thebuffalojump.com www.facebook.com/thebuffalojumprestaurant
(2016年10月現在は営業していません。)
text & photograph by Kuniko Yasutake
JOURNAL / 世界の食トレンド
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