Belgium [Bruxelles]
和の食材を味方にして二ツ星獲得
2019.05.07
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フレンチレストラン「ラ・ペ」のオーナーシェフ、ダビッド・マルタンが、『ゴ・エ・ミヨ』の“ 2019年のシェフ”、『ミシュラン2019』で二ツ星を獲得した。いずれも和食の影響を受けた革新的な料理が評価されている。
6年前、初めて訪れた日本で魚の活け締めや、昆布締めなどの調理法を知り、さらに塩麹、西京味噌といった食材に触れたことで創作の道が拓け、「従来の料理方法では実現できなかった、食材の持ち味を味わえる、自分の個性を映し出す料理が作れるようになった」と語る。和素材を取り入れながらも、その使い方にはオリジナリティが光る。例えばイカの塩辛からヒントを得たムール貝のムース。新鮮な貝の剥き身を冷凍し、そこにぬか床の上澄み、レモン汁、油を加えて撹拌すると、火を加えたムールでは味わえない、ムール貝が持つヘーゼルナッツの味が堪能できる。「食材の出自が伝わる料理で“未来のクラシック”を作っていきたい」というダビッド。
最近は、日本酒と酒粕の知識を深めるため、頻繁に日本を訪れては研鑽を積んでいる。
(『料理通信』2019年4月号/「ワールドトピックス」より)
◎ La Paix
Rue Ropsy Chaudron 49, 1070 Bruxelles
☎+32-02-523-0958
12:00~14:00、19:00~21:00(木曜、金曜のみ)
土曜、日曜、月曜、祝日休
コースのみ 昼70、110、150ユーロ、夜110、150ユーロ
http://lapaix.eu/
text by Maki Miyazaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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