China[HongKong]
大衆市場の食文化をレストランで堪能
2016.03.28
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香港の主要な魚市場の多くには、食堂が併設され、市場で購入した食材をその場で調理してもらい、食べる文化がある。香港料理界をリードするシェフのディヴィド・ライ氏と、レストランクリエイターのイエン・ウォン氏がタッグを組み、2015年10月にオープンした「Fish School」は、そうした食文化を取り入れた店作りが話題だ。
食材は、地元香港産にこだわり、漁師から毎朝届く魚介、郊外の有機農家が作る野菜、さらに上質な伝統調味料を使って、国内外フレンチの厨房で経験を重ねたライさんが腕を振るう。たとえば「潮州凍蟹 雲丹 牡蠣ライス」は、1つの皿の中で絡まる3種の魚介の複雑さが味わえ、「鮟鱇のレバーブレゼ陳皮とローゼル」は中国スパイスの陳皮にフレンチの技法を取り入れた。また、店内の水槽で泳ぐ魚を使った「本日の魚料理(ホール)」は、かつて地元の老舗店で多く見られた光景を復活させたスタイルと好評だ。
内装もメイド・イン・ホンコンにこだわり、漁村の食堂をイメージ。昔の食文化をレストランのサービスで楽しめる。
(『料理通信』2016年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Fish School
100 Third Street, Sai Ying Pun, Hong Kong
☎ +852-2361-2966
6:00~ 22:30 月曜休
www.fishschool.hk
text by Rie Suzuki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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