France[Paris]
新たな造語「フォーブルジョワ」とは
2016.03.28
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トレンドに敏感なパリっ子愛読のレストランガイド『フーディング』2016年版が発売された。主宰のアレクサンドル・カマス氏によると飲食業界におけるキーワードは「フォーブルジョワ」だという。「パリっ子は今、ストリートフードや、ヴィーガン、グルテンフリーを臨機応変に取り入れた躍動感ある料理を求めている。今後、ビストロノミー以上に注目されていくでしょう」。
「フォーブルジョワFaubourgeois」は、Faux(偽物の)とBourgeois(ブルジョワ)を掛け合わせた造語だ。語源になった「フォブールFaubourg」は、昔は城壁外にあった通りの名称でパリ郊外のことを指した。2000年以降、東部を好む富裕層を「ボボ(ブルジョワ・ボエムの略)」と呼ぶが、フォーブルジョワとはフォブールがあまたに存在する10~12区へのオマージュであり、ボボへの目配せでもある。
2016年版で最優秀賞に輝いたのは関根拓氏が率いる「デルス」。割烹さながらの“活きた”料理にパリっ子は熱狂した。この新造語がいかに浸透していくか、今から楽しみだ。
(『料理通信』2016年2月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Dersouv
21 rue Saint Nicolas 75012 Paris
☎ +33(0)9.81.01.12.73
19:30~23:00(ランチは 土、日曜12:00~15:30)
月、日曜の夜休
www.dersouparis.com
text by Sakurako Uozumi / photograph by Pierre Lucet-Penato
JOURNAL / 世界の食トレンド
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