France[Paris]
ガストロノミーなベジタリアン料理のレシピ本
2019.06.10
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近年、ベジタリアン料理のおいしさを追求する傾向にあるパリ。2018年秋に発売されたレシピ本『フェット・ベジタル』は、菜食主義者だけではなく、料理関係者からも大好評だ。著者は三ツ星レストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」の料理長ロマン・メデールとアラン・デュカス、料理家アンジェル・フェルー・マーグの3人で、野菜の多彩なおいしさを提案している。
「野菜は素材が持つ味わいや風味を閉じ込めるため、熱湯で茹でてはいけません。時間はかかりますが、野菜には無限の可能性がある。ピュアな味を引き出して、持ち味以上の味わいにするために研究を重ねました」とメデール。
春夏秋冬の4章からなる40のレシピは“アボカド+キウイ”“グリーンピース+ココナッツミルク+モリーユ茸”など、どれもシンプルで洗練された組み合わせ。カシスビネガーや金柑マスタードなど、料理を引き立てる調味料もふんだんに盛り込まれている。野菜料理に意外な発見をもたらしてくれる、日常使いもできる一冊だ。
(『料理通信』2019年5月号/「ワールドトピックス」より)
◎Fêtes végétales
Alain Ducasse, Angele Ferreux-maeght, Romain Meder著
Alain Decasse Edition 刊 35ユーロ
ISBN-10:2841239942
text by Sakurako Uozumi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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