Germany[Berlin]
都市部での農業を進める新システムとは?
2017.01.06
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近年ローカル食材への注目が高まっているベルリンだが、都市部での農業は難しい。その問題に新たな光を与えるアクアポニック・ファーム「ECF」がスタートした。
アクアポニック・ファームとは、魚の養殖と野菜の水耕栽培を組み合わせた農業システム。バクテリアによって分解された魚の排泄物は栄養たっぷりの水として植物の肥料となり、植物を通して水が濾過され、再び魚の養殖場に……と循環していく仕組みだ。
システム自体はもちろん、育てられる新鮮な魚や、オーガニック野菜の質の高さも大きな話題を呼んでいる。また、魚と野菜が同じ場所で育てられるため、二酸化炭素排出量や使用エネルギーが抑えられるという点もポイントだ。
1800㎡の敷地内では、トマトや約10種類のサラダ菜、バジルなどのハーブ類のほか、パーチ種(淡水魚)の魚が年間約30トン育つ。コンテナを1つ置ける場所があれば、都市部でも魚と野菜が育てられるという画期的なシステム。このファームをショーケースに、実験、改善を進めて、世界中に広げていく予定だ。
(『料理通信』2016年12月号/「ワールドトピックス」より)
◎ ECF FARM BERLIN
Bessemerstrasse 20, 12103 Berlin
☎ +49(0)30-7551 4840
農場での直売は金曜13~17時のみ、
第2、4金曜15時~場内ガイドツアーあり(5ユーロ)
www.ecf-farm.de
text by Hideko Kawachi
JOURNAL / 世界の食トレンド
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