Italy[Napoli]
食糧廃棄に立ち向かうM・ボットゥーラの最新活動
2019.05.09
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2018年12月、貧困層の人々に無料で食事を提供する「イ・ソーシャル・テーブルズ・メイド・イン・クロイスタ」がナポリにオープン。「オステリア・フランチェスカーナ」のマッシモ・ボットゥーラが設立した非営利団体「フード・フォー・ソウル」の最新プロジェクトだ。
食糧生産量の3分の1を廃棄しながら、8億人が飢えに苦しむ世界の現状に疑問を呈する同協会の活動は、2015年のミラノエキスポから始まり、期間内に世界65人以上のスターシェフたちが、15トンの余剰食材を利用し1万食以上を提供した。この活動の特徴は、「義援ではなく文化活動である」ということ。提供する料理と食事スペースのクオリティに重きをおくことで、空腹を満たすだけなく心を豊かにし、生きる力を与えたい。だから料理もインテリアも食器類も、超一流のシェフ、クリエイターたちが手がける。
今年はアメリカ国内に2カ所開設される予定。全人類に関わる大きな問題を投げかける「フード・フォー・ソウル」の活動に、今後も注目していきたい。
(『料理通信』2019年4月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Food for Soul
www.foodforsoul.it
「I Social Tables Made in Cloister 」は毎週月曜夜にオープン。事前に各種支援団体に登録した人のみ利用することができる。text by Sayaka Miyamoto
photograph by Riccardo Piccirillo
JOURNAL / 世界の食トレンド
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