Italy[Ragusa]
シチリアから発信するガストロノミーの研究所
2019.10.10
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シチリア南東のバロックの街ラグーサ・イブラにある二ツ星リストランテ「ドゥオモ」。シェフ、チッチョ・スルターノは、高度な技術と斬新な発想で土地伝来の料理と食材の新たな魅力を引き出すことで知られる。
特に食材の保護活動には熱心で、地元の若い農家と協同して古代品種の農産物を育て、料理に取り入れている。その活動の延長として設立したのが「カンティエリ・スルターノ」。世界各地の料理人を招いてシチリアの食との“化学反応”を模索する研究所だ。「シチリアから出て世界を目指す人がいるなら、シチリアを目指してくる人がいてもいい。ここは交流を通じて料理を追求する場。若い料理人の学びの場にもしたい」。
イル・ドゥオモと同じバロック建築の館の中にあり、ワークショップが可能な厨房、奥にはワインの“ナーサリー”と呼ぶ熟成庫を兼ねたサロンがある。ここはレストランの食事客が食前や食後にくつろぐバーとしても使える。イタリアの南端で生まれるガストロノミーの動き、これからが楽しみだ。
(『料理通信』2019年9月号/「ワールドトピックス」より)
◎ Ristorante Duomo
Via Capitano Bocchieri,31 Ragusa Ibla
☎+39-0932-651265
12:30~14:00、19:30~22:30
日曜、月曜昼休
コース 135ユーロ、150ユーロ
www.cicciosultano.it
text by Manami Ikeda
JOURNAL / 世界の食トレンド
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