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FEATURE / MOVEMENT

モエ アンペリアル150周年を祝う

「Restaurant Sola」吉武広樹シェフの挑戦

2019.08.01

FEATURE / MOVEMENT

世界で最も親しまれるブランドであり、「アンペリアル=皇帝」を冠するにふさわしい卓越性をもつモエ・エ・シャンドンのフラッグシップが、今年150周年を迎えた。その記念すべき年を祝う料理を手掛けたのは、昨年末、パリから福岡へと拠点を移した「Sola」吉武広樹シェフ。境界のないアート空間で繰り広げられた食体験の模様をリポートする。



ナポレオン生誕100年を記念して誕生したシャンパーニュが、世界で愛される理由

世界に誇る最新鋭のデジタルアートミュージアム、お台場の「チームラボボーダレス」に、タキシードやイヴニングドレスに身を包んだ紳士淑女が集まった。その目的は、世界中で愛されているシャンパーニュの代名詞、「モエ アンペリアル」の誕生150周年を祝福するためである。

モエ アンペリアルの「アンペリアル」は、「皇帝」を意味するフランス語の形容詞。その皇帝とはもちろん、フランス第一帝政のナポレオン・ボナパルトを指す。このナポレオンがブリエンヌの陸軍幼年学校で学んでいた頃に知己となり、以来交友を深めた人物こそ、モエ・エ・シャンドン社三代目当主のジャン・レミー・モエ。皇帝は遠征のたびにエペルネのメゾンに立ち寄り、戦場でもモエ・エ・シャンドンのシャンパーニュを欠かすことがなかった、との言い伝えが残る。

最後のメゾン訪問は1814年3月14日。この時に皇帝は、長年にわたる友情と国家への忠誠を感謝し、ジャン・レミー・モエにレジオン・ドヌール勲章を授けている。しかし、その直後にパリは陥落。エルバ島に追放されたナポレオンは、脱出を果たしてワーテルローの戦いに挑むも敗北。大西洋の孤島セントヘレナ島に幽閉され、彼の地において51年の短い生涯を閉じたのだった。





そしてナポレオンの誕生から100年を経た1869年。モエ・エ・シャンドンはこれを記念して、同社のノンヴィンテージ・シャンパーニュに「ブリュット アンペリアル」の名を与えた。これこそ今日の「モエ アンペリアル」である。誕生以来、世界中の映画スターやアーティストを魅了し続ける類稀なる品質。その鍵はなにか?

まずひとつは1190ヘクタールにおよぶ広大な自社畑。モエ・エ・シャンドンはシャンパーニュ地方にある、320すべてのクリュ(畑)にアクセスが可能であり、たとえむずかしい年でも、モエ アンペリアルにブドウを優先して品質を保つ。もうひとつが伝統を重んじつつ、時代に合わせた醸造技術だ。今日、醸造最高責任者を務めるのはブノワ・ゴエズ。その研ぎ澄まされた感覚でブレンド作業を行い、「輝きのある果実味、魅惑的な味わい、エレガントな熟成」と形容される普遍的スタイルを守りながら、辛口嗜好のトレンドに従い、この20年間でドザージュを5グラム減らしている。





さて、モエ アンペリアルの150周年を祝うディナーを任されたのは、パリから凱旋し、福岡に拠点を移した「Restaurant Sola」の吉武広樹シェフ。
日本料理の八寸をイメージしたという前菜は、オマールやサーモン、ホタテに夏野菜など様々な食材が、彩り豊かに散りばめられている。





「モエ アンペリアルならではの料理。これほどどんな食材、風味にも合わせやすいシャンパーニュはほかにありません」と語る吉武シェフ。火の使えない空間で、80名のゲストを悦ばせるマジックをみごと成し遂げた。



吉武広樹シェフ。1年3カ月足らずでミシュラン一ツ星を獲得したパリ「Sola」を2016年、共同経営者に譲り、充電期間を経て昨年12月より福岡を拠点に活動。レストランを中心に、イベントなどへのケータリング、メニュー開発も手掛ける。

来場者の存在によって作品が変化する、アートと人が溶け合う空間。前代未聞のパーティ会場で80名のゲストが吉武シェフのディナーを体験した。

モエ アンぺリアル 150 年 アニバーサリー
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オマール海老、宮崎産サーモン、ホタテと夏野菜のサラダ、エピスのヴィネグレット

グラン ヴィンテージ ロゼ 2009
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大分 豊後牛の薪焼き、根セロリのサラダ、黒玉ねぎのソース

グラン ヴィンテージ マグナム1985
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パッションフルーツのムース 宮崎産マンゴーとチーズケーキ

Moët Impérial
150th Anniversary

Saturday 22nd June, 2019
Mori Building Digital Art Museum: Epson
TeamLab Borderless





問い合わせ先
MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社

https://moet.jp
☎ 03-5217-9906



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