America [New York]
シェアロースターがコロナ禍のカフェ文化を支える
2021.05.20
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text by Akiko Katayama
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6万軒以上のカフェが存在し、1人1日平均2.7杯コーヒーを飲むという米国で、シェアする焙煎施設「シェアド・ロースティング」が話題だ。
自らカフェの経営経験を持つ共同オーナー、ジェフ・ウォング氏とハワード・チャング氏曰く「焙煎した豆を卸で買うと1ポンド(454g)10ドル以上するが、生豆なら3ドル程度。コスト削減と同時に、自ら選んだ豆で最高の一杯を提供したいと考えるのは、カフェ経営者として当然のことです」。しかし、焙煎設備は最低5000ドルから10万ドル超と、到底手が届かない。
そこで両氏は、先行投資なしに誰もが使える焙煎所を2020年1月、ブルックリンに開設。その直後のコロナ勃発で、予想だにせず施設へのニーズは急上昇することになった。経営が逼迫しさらなるコスト削減に迫られ、同施設を利用して自家焙煎や豆のオンライン販売に転換することで、危機を乗り切ったカフェはいくつもある。同時にロックダウンで、自宅で自ら好みの一杯を淹れる喜びを見出した愛飲家が、新たにカフェ経営を考えるケースも目立つといい、現在顧客は30に上る。
施設の利用に会費は不要で、機器により1時間60~350ドルの使用料がかかる。包装設備と保管倉庫は無料、さらに生豆購入の秘訣、焙煎の基本、経営ライセンス取得法など多彩なクラスを用意しビジネス全般を実践的に支援する。
今後は生産者を招いたイベントなどを通じて、カフェ・コミュニティをさらに後押ししていく予定だ。
(写真)ブルックリンの一角にある約170坪の敷地内には4つの焙煎機に加え、上階にカッピングやトレーニング用スペースも備える。
◎Shared Roasting
43 Washington Ave., FL1 Brooklyn, NY 11205
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*1ドル=109円(2021年5月時点)