Belgium [Bruxelles]
ベルギーの美食を支える“包丁研ぎ職人”
2018.12.17
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止まるところがない昨今の和食ブーム。今ではどこのシェフでも刺身包丁や和包丁を持っており、包丁砥ぎ職人は引っ張りだこである。ベルギー唯一の“砥ぎ師”は、元パティシエのヴァンデールムーレン氏。ベルギーが2位になった2007年「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」でピエスモンテを担当した。
「ナイフの研磨をしっかり行うと、食材の旨味が残る。切れるナイフで切る肉とそうでないものは味まで違う。ある時フレンチのシェフから日本の刺身包丁のさびを取ってくれと頼まれたのが、この道にのめりこむきっかけだった」。いったん興味が湧くと徹底して研究する性格で、結果砥ぎ師に。
この仕事はパティシエと違い、自ら創作することはない、いわば黒子だ。しかし、依頼主が使い心地や見違えるような仕上がりに驚嘆してくれることに喜びを感じ、日々より効率的で確実な方法を探究する。現在はプロやアマ用の研ぎ講習会を開く傍ら、アトリエ付きのライトバンでベルギー中を駆け巡る毎日だ。
(『料理通信』2018年11月号/「ワールドトピックス」より)
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text by Maki Miyazaki
JOURNAL / 世界の食トレンド
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