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JOURNAL / 世界の食トレンド

England[London]英国初の国際ティー・コンペで、最高峰に輝いた“和紅茶”とは?

Dec 19, 2022

text by Yuka Hasegawa

2022年10月、英国のお茶の資格認定機関「UKティー・アカデミー(UKTA)」主催、英国初の国際ティー・コンペティション「ザ・リーフィーズ(The Leafies)」の授賞式が、高級食料品ブランド「フォートナム&メイソン」の一室で華やかに行われた。

初回にもかかわらず、白茶、ウーロン茶、紅茶、緑茶など30以上のカテゴリーに、世界に冠たるお茶大国インド、スリランカ、中国のみならず、日本やハワイ、ミャンマー、エル・サルバドルなど世界20カ国、270以上の生産者から、300銘柄以上のアルチザンティーがエントリー。賞の選考は、世界中から招聘されたお茶のスペシャリストによって、フレーバーやクオリティだけでなく、製造過程や茶園の状況など生産者のバックグランドも考慮に入れて行われる。

世界各国から選り抜きの茶葉が揃う中、もっとも優れた銘柄に授与される「Best in Show(ベスト・イン・ショウ)」に、日本産の茶葉を日本で加工した“和紅茶”が選ばれた。熊本県の生産者「お茶のカジハラ」の「夏摘みべにふうき和紅茶」だ。べにふうきは、日本で紅茶や半発酵用の品種として交配、開発されたお茶の品種。渋みや香りが強く主張せず、優しくマイルドな味と香りが特徴だ。

「梶原さんの紅茶は、独特な香りに加え、良い紅茶に求められるボティ、奥深さ、余韻などが全て揃っていました。製造過程を見ても欠点のない完璧なお茶だった」と語るのは、審査員の1人であり、日本を拠点に紅茶スクール「インフューズ゙」を主宰し、またUKTA日本校「ティーアカデミージャパン」代表でもあるスチュワード麻子氏。
「“和紅茶”はまだ新しい分野で、ほとんどの審査員にとって初めて出会う、新しいお茶。生産者によって色も味も香りも全く違う和紅茶は、従来の紅茶生産国のものとは異なる魅力を持ち、ビールで例えるなら、いわばクラフトビールのような位置付け。それを審査員がよく理解してくれて高い評価が生まれたのだと思う」

近年、”クラフトティー”とも呼ばれる小規模生産者が作るアルチザンティーがお茶市場で注目を集めており、クラフトティーを求める人は、様々な国でかなりの勢いで増えているという。時代を超えた歴史を誇る従来の紅茶の概念や文化に、果敢にも新しい風を吹き込んでいる和紅茶の躍進に、今後も大きな期待がかかる。

(写真トップ)「ベスト・イン・ショウ」を獲得した、お茶のカジハラ「夏摘みべにふうき和紅茶」(1080円/30g:現在品切れ)。「今回の受賞は私だけでなく、“和紅茶”にとって大きな意味があったのではと思います。これからも、受賞に奢ることなく、さらにおいしいお茶作りに邁進していきます」と、園主の梶原敏弘氏。写真提供=お茶のカジハラ

(写真)コンペティションのパートナーとして参画した「フォートナム&メイソン」の一室で開かれた授賞式。受賞したお茶のいくつかの銘柄は、後に「フォートナム&メイソン」の「レア・ティー・カウンター」で販売される予定だ。



◎The UK Tea Academy 
https://www.ukteaacademy.co.uk

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